館長の気ままな日記

三河工芸ガラス美術館の館長(オーナー) " カズ " こと神谷一彦の勝手気ままな独り言です。

三河工芸の館長が書く日記です

窓の隙間風対策

こんにちは。

 

きょうはよく晴れたものの風が強く、気温の割には肌寒く感じた。

こんな日は美術館1階の事務所は暖房を入れても一向に暖かくならない。なぜなら窓から隙間風がどんどん入ってくるからだ。

 

美術館の事務所はもともとはガラス運搬用のトラックと自家用車を入れるための車庫だった。それを改造して床を張り、ガラス窓を増設して事務所にした。今ではジオラマもここで作っている。

 

ところがガラス窓のサッシが住居用ではなく車庫用なので、サッシの上下にゴムシールが無く、風が通るのだ。だからエアコンを焚いても暖気がすぐに逃げてしまう。

きょうはその隙間風対策をしたのだ。

 

ガラスは透明で昼間は外から丸見えなので、目隠しに塗装用のマスカーを張ったのだ。これならシャッターを閉めずに明るくていい。

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ところがマスカーは極薄いフィルムなので隙間風で室内側に膨れてくる。

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そこで1ミリ厚のゴム板ロールを20ミリ幅に切り、裏面に15ミリ幅の両面テープを貼ってサッシの表側下部にレールをこするように張り付けた。

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これで隙間風が無くなるかと思いきや、サッシの上からも入ってくるようだ。ゴム板もなくなってしまったので、しゃあない、ビニルテープで隙間を塞いでやった。

窓は開かなくなってしまったが、なぁに、どうせいつも締め切りだからこれでヨシとする。

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気になる効果のほどは‥。

バッチリである。期待した以上の暖かさである。暖房の効きも速くなった。

 

何年も前からやるといいなぁ‥、と思っていたのだがやっとできた。

これから本格的な冬に向けて快適に作品製作ができそうだ。

1971 マスタングマッハ1 右クォーターポストの修復3

こんにちは。

 

マスタングレストアのシリーズはマスタングオーナーさんやレストアラーさんを読者に想定して書いています。 ご興味のない方や女性の方は申し訳ありませんがスルーしてください。

 

今回は朽ちて消失したクォーターポスト下部を修復する。

板金の曲線を割り出してオリジナルと同じ曲線になるよう切り込みを入れて曲げる。

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横から見るとこんな感じ。プレスではないので切り込みを入れないとこんな絞りはできない。

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切り込みで出来たすき間を溶接のみで埋めるのは難しいので隙間の大きい部分にくさびのような板をはさむ。

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溶接肉盛りで繋ぐ。肉盛りをしていくうちに歪んでくるので時々曲線を修正しながらすべて肉盛りする。

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この肉盛りをディスクサンダーで綺麗に仕上げる。

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ポストのパッチを取り付ける前に、錆で穴が明いたロッカーパネルを直す。

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腐食のクレーターの酷い所を切り取る。

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ロッカーパネルのパッチを作る。板厚は厚めの1.6ミリ。

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パッチをずれないように本体へ溶接。タックウエルド。

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点溶接を繰り返して遂にはシーム溶接終了。

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ロッカーパネルの内側をスコープで見ると‥、亜鉛皮膜が溶接熱で燃えて白くすすけている。 ロッカーパネルは重要構造体なので錆びにくい亜鉛挽き鋼板で出来ているらしい。

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サンダーで磨き上げる。

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切り取られたクォーターポスト下部と、綺麗に穴塞ぎされたロッカーパネル。

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ここまで写真を連ねて文章にするとあっという間に出来たようだが、ここまで終えるのに何か月も実はかかっている。

 

レストアとはかくも気の長い努力を要する作業なのだ。

1971 マスタングマッハ1 右クォーターポストの修復2

こんにちは。

 

前回までに右クォーターポストのパッチを作った。

すぐに修復にかかりたいところだが、腐食部分を切り取って大きな窓が開いた今のうちに、サンドブラストでポスト内部の錆取りをしておこう。

排気ダクトを取り付け、開口部という開口部は全てビニルシートで養生する。

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使うのは直圧式ブラスター。タンク内のメディアが無くなったら研磨剤をセットし直さねばならないが、吸い上げ式よりパワーで勝る。

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隅々まで完全に取ることはできないが、ワイヤーサンダーではとてもここまでの錆取りはできない。

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配線穴の中も、

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作ったパッチを当ててみる。

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曲げ角度もよく合っている。

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シーム溶接だ。左上は別のパッチを取り付けるので溶接はしない。

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ディスクサンダーで溶接ビードを平らに仕上げる。

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続いて左上の腐食部を修復。新しい鉄板をオリジナルのように曲げる。曲げ部が鋭角にならないように丸棒に沿わせて曲げる。

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腐食部を切り取る。

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腐食したオリジナル(右)と新しく作ったパッチ(左)。

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パッチを当ててみる。 よしっ!カーブもピッタリだ。

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シーム溶接。

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手が入るので裏側からも肉盛りする。

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このあと、ディスクサンダーで溶接ビードを平らに仕上げる。(写真はありません)

 

蔵の修繕 今度こそ完了

こんにちは。

 

きょうは遅くなっちゃったので短い話題で失敬します。

 

我が家の蔵の修繕、先日終わったと思っていたのだが、まだ塗装が残っていたようだ。今朝から塗装屋さんがやってきて東の壁面を塗っていった。

もちろん漆喰ではなく、たぶん水性塗料だ。刷毛とローラー刷毛で塗っていた。

ローラー刷毛は刷毛跡が残りにくく、綺麗に塗れるので僕も広い面を塗るときはよく使う。

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壁面が真っ白になってすがすがしい眺めになった。蔵はやっぱり白がいい。

在所の蔵は黒塗りだ。おじいさんが戦争中に空襲に備えて目立たない黒に塗ってしまったのだ。それでも機銃掃射の弾の痕が残っていたそうだ。

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東側のこの窓は、元々は無かった。母が3度目の修繕の時、明り取りと乾燥の為の空気取り入れ口として開けてもらった。

西側の蔵造りの凝った窓には到底できなかったのでシンプルなこの形になった。

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今回の修繕、何年持つだろうか。

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おじいさんが建てた我が家の古い土蔵。真新しい白が誇らしげだ。

毎日見慣れた蔵だが、綺麗になってとても嬉しい。

 

おじいさん、喜んでるかな。

娘のウェルカムボード

こんにちは。

 

ただいま娘の結婚披露宴に使うウェルカムボードを製作中。

花柄のステンドグラスで縁取った中に楕円形の鏡があり、そこに " Welcome " と書き入れるのだ。

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「親の愛情だね!」だって? とんでもない、作っているのは娘本人だ。

型紙の作り方や鏡のカットなど、初めに教えてはやったが僕もカミさんも一切手伝っていない。娘が初めて自分で作るステンドグラスだ。

 

ステンドグラスでウェルカムボードを作りたいと言い出したのは2か月ほど前。

朝は6時半に起きて毎夜11時ごろにならないと名古屋の職場から帰ってこない忙しさ。 休日を利用しては製作にかかっているが思うように進まない。

式まで20日を切った。

 

「お父さんもお母さんも仕事で忙しいからね、作ってあげられないよ。」と初めに釘を刺したものの、見かねたカミさんが、

「無理せんでいいよ。手伝ってあげようか?」と言葉をかけたところ

「大丈夫。自分で作りたいから。」と。

 

厳しく育てたせいか、根性が付きすぎてしまった。(笑)

 

親が言うのも変だがカットもコパーテープ巻きもとても上手い。普通、初めての人がここまでのカットはムリだ。ラインの幅が均一で、初めての作品とはとても思えないほどだ。

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子供のころから細かいことに集中する質(たち)で、絵を描かせたら大人並みの緻密な絵を描いた。

今はコパーテープを巻いている段階で、それが終わったらハンダ付けだ。

 

多分、間に合う。

浴室のあったか断熱 効果の検証

こんにちは。

 

読者の方から教えていただいたのだが、11月26日は「いい風呂」の日だそうな。なるほど、語呂合わせなわけだ。

という訳で本来なら26日にお風呂に入りたかったのだが、あいにくシリコンが硬化せず、2階のシャワーで済ませた。

 

溝が2列のレールなので、手前の溝を引き戸に使う。

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上も下も隙間にはすべてシリコンコーキングをする。レールとプラダンの間もだ。

カミさんに言わせると僕はシリコンコーキングが上手だそうだ。実は僕もそう思う。だけどシリコン作業は好きじゃない。マスキングや段取りに手間がかかる上に、きつい体勢を取ることがしばしばだからだ。

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手前のレールに引き戸になるプラダンをはめ込む。ガラスと違ってプラダンは曲げることができるため、上の隙間は最小限にすることができる。

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カーテンの止めフックを取っ手代わりに取り付けて完了。

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一番風呂に入った娘の言うには、「温かかったよ。空気が冷めない感じ。」

 

今度は自分で試す。

浴室に入った瞬間、明らかに暖かい。

湯船に入って塗れた手をプラダン側にかざしてみる。

湯気は真っすぐ上に上る。以前のようにたなびいたりはしない。

浴室内は湿度100%なのでプラダンに結露はある。 が、施工前のガラスの内側を水滴が次々と伝って流れ落ちるということは無い。

 

これは僕がお風呂から出た直後に窓の外から撮った写真。プラダンの結露は見えるが、窓ガラスの曇りは皆無だ。

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ガラスとプラダンの空間の幅は10センチぐらい。内部に結露は無い。

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結論を言うと、効果あり。 カミさんも暖かいと喜んでいる。

これが真冬の寒さとなるとどうなるかはわからないが、苦労の甲斐はあった。

材料費はうちの場合、8000円くらい。

 

労をいとわない人は是非ともやってみることをお勧めする。

猫のいるステンドグラス

こんにちは。

 

きょうは午前と夜のステンド教室がある日。そんな中、午前の教室ではMYさんがステンドパネルを完成させた。

ここのところず~っとパネルばかりを作り続けている。今回作ったのは猫のいる風景のステンドグラス。

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かなり大きめのサイズだ。うちの教室では作業台スペースの関係であまり大きなサイズのステンドグラス製作はご遠慮いただいているが、MYさんは、

「今回だけ先生、お願い!」ということで作っていただいた。

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MYさんはうちがステンド教室を始めたころから来ていただいている、それこそ17~18年選手だ。今ではお教えすることなどあまりないのだが、毎回楽しみに来てくださっている。

御年76歳のMYさんはお孫さんに会えるのを楽しみにしている様子で、このパネルもお孫さんを元気づけるために差し上げるのだそうだ。

 

うちの教室には70歳オーバーの生徒さんが何人もいらっしゃるが、作る作品は大抵プレゼント用だ。

差し上げるのは大体はお孫さんみたい。

 

そんなに孫っていいものかねぇ、僕にはまだわからないけど。(笑)