館長の気ままな日記

三河工芸ガラス美術館の館長(オーナー) " カズ " こと神谷一彦の勝手気ままな独り言です。

三河工芸の館長が書く日記です

ステンドグラスのコパー巻き

こんにちは。

 

N様邸向けステンドグラスのコパーテープ巻きに入っている。

直線が多いのでケイムで組み立てることも考えたのだが、納期と予算の都合でコパー巻きで組み立てることにした。

ガラスの縁を包むように銅テープで巻き、この銅の部分をハンダで繋いでいくのだ。

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青いガラスは8ミリ幅、黄色のガラスは6.4ミリ幅のテープで巻いた。小物なら6.4ミリでも広すぎるくらいなのだが、大きな作品なので強度を考えて8ミリを使うことにした。

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僕たちプロはテープ幅のほか裏面の粘着糊の色まで使い分ける。

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納期は3月10日。

あと20日足らずだ。

セリウム磨き 深い傷も消えた!

こんにちは。

 

前回4日前の記事「セリウム ガラスの傷取り」で爪の掛からない軽微な傷やウロコが消えたと書いた。

そして爪が引っ掛かるような深い傷はセリウム磨きでは消えないというのも定説になっている。

実際、僕が前回1時間半ほどかけて必死に磨いても結局取れなかった。

下の写真は運転席側ドアガラスの磨く前。中央付近の縦傷は爪が引っ掛かる。

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1時間半ほどかけて磨いた後。細かい擦り傷やウロコは確かに消えた。

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これでヨシとするはずだったがふと考えた。

まてよ。細かな傷が磨き取れたなら深い傷だって時間さえかけりゃ消えるんじゃないの?

 

翌日、より強力なポリッシャーに切り替えてもう一度磨くことにした。

今度は深い傷のあたりを力を入れて重点的に磨く。30分を過ぎたころから傷の白が少し薄くなり始めた。

これはいけるかも。

こうなるとワクワクして止められない。

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1時間半をかけたころ、セリウムを水拭きする…。

 

消えた。

 

なんと消えているではないか。丸い印のあるところが傷のあったところだ。白い印は重点的に磨く目安のためにガラスの裏側に描いたものだ。

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すっかり消えている。光にかざしてみると少しへこんでいるのが確認できるがぱっと見、全く傷には見えない。

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これはもう文句のつけようがない。

まだ取りきれていない傷もあるが、そうそう手間もかけていられないので次に進む。

運転席側のガラスは最も傷がつきやすいガラスだ。それだけ頻繁に開閉するからだ。

だから僕はガラスの傷つき防止の観点からガラスの開閉はできるだけしないように心掛けている。

 

 

気を良くした僕はさらにセリウム500グラムセットを買い込んだ。

パッドと赤いグリップは手磨き用だが、手磨きではとてもじゃないが取りきれない。肩を壊すのが関の山だ。

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次はフロントガラスを磨くのさ。

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タイからのお客様

こんにちは。

 

きょうはタイからのお客様がやってくる日。予定では朝の10時半。

びったりにやってきた。

うちではサンドブラストの体験をする。

 

体験の説明は女性の方が当たりがソフトなのでカミさんが行う。スーツ姿の男性二人は西尾市の観光課の職員と愛知県の職員。

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タイのお客様は総勢7名。タイの有名なブロガーやテレビ局やウェブサイト、トラベルメディアだ。とにかく写真を撮りまくる。

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今から自分でやるんだからね、ちゃんと聞いててよ。

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茶色のジャケットの女性が通訳さんだ。彼女もタイ人。

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右の男性がパワーブロガーのパクさん。

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通訳さんが一番楽しんでいた。(笑)

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時間が短いこともあり、皆さんオリジナルデザインではなく、当館が用意しているデザインの中から選んでいた。

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だんだん真剣になってきた。

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お一人だけお年の離れた人がいた。多分女性。この方がテレビ局の人らしい。

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彼らのカメラは全部日本製。少なくともブランドは。誇らしい気持ちだ。

ニコンにキャノン、富士フィルムなどだった。

おもしろいので撮った。何と書いてあるのか分からない。(笑)

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出来るだけ綺麗に写るよう、あの手この手でサービスする。

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若い子はノリがいいから好きだ。言葉は通じないがすっかりお友達だ。

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納得のいく写真は撮れただろうか。

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楽しんでもらえただろうか。さて、どんな記事を書いてくれるのだろう。

サングラスの男性はパワーブロガーのジャーレイさん。

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この後、美術館の見学をしてもらった。

市内で昼食をとった後、名古屋のホテルまで帰り、今夜の便で帰国するそうだ。

 

やっと覚えたタイ語で姿が見えなくなるまで見送った。

 

「サワディー クラップ」

1971 マスタングマッハ1 右クォーターパネル10 取付け1

こんにちは。

 

いよいよレプロクォーターパネルの取付けだ。

が、その前にクォーターの内側に制震塗料を塗っておく。車内を少しでも静かにしたいからだ。(黒い部分)

さらにホイールハウスやクォーターポストとの接合部分にはプラグ溶接用の穴を明けておく。

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オリジナルとレプロのクォーターパネルを固定する道具がない。 そこでM5の蝶ボルトを買ってきてネジ部を平らに削る。

蝶ボルトはそのままでは万力でクランプできないため、エポキシパテで蝶の部分を型取りし、それではさむ。

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ネジ部の厚さは1mm~1.5mmになるよう丁寧に削る。

この時注意したいのはテーパーに削る。先端が最も薄く、根元に向かって少し厚くするのだ。こうしないと溶接後に締め付けられてネジが抜けなくなる。

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これでオリジナルとレプロを合わせて固定する。固定は今作った蝶ボルトと蝶ナットで隙間を締め付けるのだ。

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ここまでを文章にすると、ああそうか、と思うかもしれないが、実際はカーブが合わなかったり全長が合わなかったりと、筆舌に尽くしがたい苦労があったのだ。

 

次は溶接だ。

ステンドグラスのガラスカット その2

こんにちは。

 

N様邸向けのステンドグラスガラスカットが佳境に入った。多分明日にはすべてのガラスカットが終わるだろう。

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今回の作品、納期が短い分、ガラスのカットは丁寧に行っている。

-納期が短いのに丁寧にカット?- どういうこと? と思うかもしれない。

通常ガラスカットの後に形を整えるためにルーター削りという作業がある。回転するダイヤモンドのヤスリでガラスを削るのだ。これはカットと違い簡単なので誰でもできる。

但し、カットと違い、削るのに時間がやたらかかるのだ。

 

僕はこのルーター仕上げを限りなくゼロにするため丁寧にカットしているのだ。

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要は型紙通りに切ればよいのだが、教室の生徒さんなどは失敗を恐れて、或はカットが小さくなりすぎるのを恐れて型紙を写した線の外側で切っている。ひどい人は線よりも3~4ミリも大きく切っている。

「線のすぐ内側で切るんですよ。」とアドバイスするのだが、何度言っても一向に直らない。

だから延々と何時間も削り続けるのだ。

 

僕はプロだからね、そんなことはしない。

 

かっこよく一発で決めるのさ。

セリウム-ガラスの傷取り

こんにちは。

 

きょうは息子のセリカのドアガラスを磨いてやった。

5年ほど大事に乗った車だが、どうしても次に欲しい車が出来て手放すことになった。

もともと中古で買った車だが、少しでも高値で売れるようにとドアガラスに付いた擦り傷を消そうという訳だ。

以前、マスタングのガラスを磨いたことがあったが、なかなか傷は消えない。

 

こちらは磨く前。ガラス開閉時に細かい砂を巻き込んだ擦り傷が無数にある。

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今回購入したのは純度99.99%と言われる酸化セリウム50グラム。

セリウム粉はいろいろ売られているが、安かろう悪かろうなのであまり価格をけちると労多くして効少なしということになるので気を付けよう。純度が高いものは白っぽく、不純物が多くなると茶色になるそうだ。

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ミニポリッシャーにガラス磨き専用のフェルト製マジックパッドを取付け、酸化セリウムの微粉末を水に溶いて磨くこと30分。磨いた範囲は10センチ×20センチくらいの範囲。

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さすがに爪が引っ掛かるような深い傷は消えなかったが細かな擦り傷はきれいに消えた。そして水垢のウロコもすっかり無くなった。

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これだけでもずいぶんと印象が変わる。古臭い感じだったガラスが新車同様とはいかないまでもスッキリクリアーになった。

ドアガラス1枚磨くのに多分1週間=(まる一日磨くわけじゃないからね)。フロントガラスを含むすべてのガラスを磨くとなると1か月はかかりそうだ。

 

これも可愛い息子のためだ。(笑)

ステンドグラスのガラスカット

こんにちは。

 

ここのところずっとN様邸向けのステンドグラスのガラスカットをしている。

 

ガラスカットは実はちょっとしたパズルだ。パターンの置き方で切り取れる枚数が違ってきたりする。

 

ステンドのガラスはたいていの場合、方向性というか向きがある。流れの方向やパターンの方向、テクスチャーなどだ。

だからガラス素材の上に型紙をどんな向きにでも並べればいいというものではないのだ。縦横があるのでちゃんと揃えなくてはならない。

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さらにガラスは直線か緩やかなカーブにしかカットできない。だからカットする順番や道筋を考えて並べないと切り取れないのだ。

 

一枚のガラス素材の中からいかに効率よく、捨てる部分の少ない材料取りをするかはとても大切なことなのだ。

 

ちょっとした頭の体操だ。(笑)