館長の気ままな日記

三河工芸ガラス美術館の館長(オーナー) " カズ " こと神谷一彦の勝手気ままな独り言です。

三河工芸の館長が書く日記です

ゆっくり休めない休館日

こんにちは。

 

きょうと明日は月に一度の2連休。正直なところ嬉しいっす。

でもゆっくりはしてられない。昼間は息子のセリカの塗装準備とマスタングの錆止め塗装をした。

セリカのボデーとガラスはピッカピカに磨き上げたが、プラスチックのモールが色あせて白っぽくなってしまっている。 これを黒の半艶に塗り直すのだ。

これが完了すれば少なくとも外観は新車だ。

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マスタングは室内の錆止め塗装。きょうは必殺錆封じを塗る。

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錆封じが半乾きになったらパワー防錆を塗る。多分明日か明後日だ。

塗膜が厚いからDP40よりも錆止め効果は高いと考えている。POR-15は塗らない。

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夜になってN邸向けステンドグラスの3枚目製作を続ける。

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お休みとはいえ、作らないと間に合わない。

納期はすぐそこまで来ている。

1971 マスタングマッハ1 左クォーターパネル1 塗装剥がし

こんにちは。

 

今回から左のクォーターパネル修復に入る。まずは塗装剥がしからだ。

塗装剥がしはボデーワークの中でも最も汚れる作業だ。僕の友人はワイヤーサンダーで塗装を削ると言っていたが、実際にやってみるととてつもなく時間がかかる。

 

外観はそこそこ綺麗だったが塗装を剥がしていくと、なんと下地はパテだらけだった。

多い所ではパテの厚さは7~8ミリに達している。板金ではなく、さながら美術彫刻と言ったところ。その下からパッチが出てきた。ホイールハウスのすぐ前だ。

 

剥がしてみるとなんとシリコンで接着しただけ。ご覧の通り、シリコンでは全く錆の成長を防げないことが分かる。 シリコンの下で錆はどんどん大きくなる。 そのうち錆はパッチを持ち上げ塗装表面にクラックが現れるのだ。

こんな修理は絶対してはいけない。

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照明の当て方を変えるとパテ盛りの厚さが良く分かる。パテの仕上げは上手いものだ。(笑)

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ホイールハウスすぐ後ろ。大きなパッチが当ててある。こちらは珍しく全周がシーム溶接してある。さらにその上にパッチが貼ってあって、それを取り除くと穴が明いていた。補修の仕方が違うので多分別の業者が直したのだろう。後からの業者の方がいい加減だ。

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ホイールハウスの後ろ側を内側から見ている。塗装の段差が複数見えていて、何枚パッチが当ててあるのか分からないほど。

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内側のパネルに錆びて穴が明いている。何か所パッチがあるのやら。

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さらにその後ろ。小さなパッチを剥がしてみる。

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ドア側も塗装を剥がしていくと‥、どこを剥がしてもパテの無い所は無い。(笑) 

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良くも悪くも塗装を剥がして地金を出すとその車の素性が良く分かる。

納品間近 ペーパーウェイトとステンドグラス

こんにちは。

 

相変わらず忙しい毎日を過ごしている。

きょうはふれあい教室のバーナーワークのほか体験コースの指導をこなしながらカミさんはペーパーウェイトの仕上げに余念がない。

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夕方までには完成し、月曜日の納品に備えて夜遅くまで箱詰めをしている。

一つ一つ名前が刻まれているので間違えないように箱詰めしなければならない。

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僕はふれあい教室と体験を手伝いながらN邸向けのステンドグラスの3枚目にかかっている。

こちらも納期は今月10日だ。

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春先から忙しいってのは幸先がいい証?か?

多目的作業ブースを作る 2

こんにちは。

 

作業ブースは完成し、現在はマスタングのレストア作業に使っている。

照明を天井だけでなく、壁側にもつけて夜でも不自由なく作業できるようにした。もちろん昼間の方がより見やすく、昼間の作業に越したことはないけど。

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ブースにはキャスターが付いているので自由に動かせる。作業をする側に寄せてスペースを広く使うことができるわけだ。

向こうの窓には換気扇が2基取り付けてあって粉塵や塗装ミストを外に吸い出す。

ブースと壁のすき間は透明のビニールシートで覆ってあるから粉塵はほとんどブース外には出て来ない。

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腰壁は引き戸になっていて茶室の躙り口のように出入りできる。

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真冬ともなればそれなりに寒いが、外の倉庫内に比べればいくぶん暖かい。暖房を焚こうと思えばできるけど、もったいないから厚着をして作業している。

それよりもまいるのが真夏の作業だ。日中など作業できたものではない。死んでしまう。

今年の夏はスポットクーラーをいれようかしら。

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何はともあれ、休日や美術館の仕事が終わってからはここで過ごすのが日課となっている。

卒業記念 ガラスのペーパーウェイト

こんにちは。

 

今年もこの季節がやってきた。

陽気もようやく暖かくなり始め、梅の便りも聞かれる。寒い寒いと言いながらいつの間にか春はすぐそこまで来ている。

 

市内Y小学校の卒業記念品の製作がたけなわである。

以前はすんなりできたペーパーウェイトの名入れも、ここ数年ずいぶんとてこずることが多くなった。

なんと読むのか分からない名前が実に多い。いわゆるキラネームというやつだ。

男女の区別のつかない名前があったり常用漢字に無い当て字があったりとワープロソフトで出て来ない漢字が多くて困ってしまう。

僕の好みで言えば凝りに凝った名前より、誰にでもスッと覚えてもらえるなじみ深い名前の方が後々その子の為にもなると思うのだけれど。

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それはさておき、納期が迫っているので頑張って製作中だ。これはブラスト前のペーパーウェイト。

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ブラストが終わってマスクを剥がし、洗い終わったペーパーウェイト。

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僕がステンドを作っているのでカミさんが一人でペーパーウェイトをこなしている。

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手伝おうか?と言ったら、私は大丈夫だからステンドに専念してねと言われた。

 

夫婦分担作業だ。(笑)

多目的作業ブースを作る 1

こんにちは。

 

クルマのレストアをしていくと作業場がけっこう汚れる。

 

僕の家には床面積が100坪の倉庫がある。半分を貸倉庫にして残りの半分を車庫兼レストアの作業スペースにしている。

レストアには錆取りや塗装剥がし、溶接や鋼材の切断、研磨など、粉塵を伴う作業が数多くある。

塗装ブースはすでに自作して稼働しているが、そのほかの作業はなるべく倉庫の隅っこでやっていた。それでも粉塵が飛び、車に積もったり貸倉庫の荷物にうっすらとかかる。

倉庫全体を汚すことになるので作業ブースを作ることにしたのだ。

 

ホームセンターで長尺のSPF材を買ってきてそれで骨組みを作ろうという訳だ。

SPFの長さは3.6メートル。この長さ目いっぱいを使って3.6X3.6メートルの天井を作った。

四隅に筋交いを入れてゆがまないようにして片側を起し、柱を取り付ける。

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なにぶん、一人で作業をするので脚立に上ったり下りたりを繰り返しながらあるものを何でも使って直角を出す。

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材料は必要最小限の強度にとどめ、できるだけ軽く作る。接続部分は複数のクランプを使って締め付け、スリムビスやナゲシネジで固定する。

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片側の柱は3本。柱と天井の梁にも筋交いを入れてこれから天井のもう一方を持ち上げる。

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クルマ全体は入らないが当面はこれでヨシ。必要ならお足しすればよい。床と接する部分にはキャスターを取り付け、自由に移動できるようにする。

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天井にプラダンを張る。

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PPのプラダンは軟らかく加工が容易だ。天井に「面」ができることによりぐんと歪みに強くなる。

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腰丈の位置に胴縁を付け、壁にはポリカプラダンを張る。ポリカプラダンはPPのプラダンに比べると硬く、加工が容易ではないが、透過光率が高く、耐候性、強度も高い。

値段も数倍高いが。(笑)

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トラックが入っているが、これはトラックの荷台に上がって貼り付けの作業をするためだ。(笑)

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腰下の部分にはポリカプラダンで引き戸を作る予定だ。

1971 マスタングマッハ1 右クォーターパネル14 交換完了

こんにちは。

 

内側の防錆塗装、制震塗装が完了して内側はこれで終了。次は外側の塗装準備だ。

剥がしかけの塗装をワイヤーサンダーで綺麗に落とす。

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どうです?ぱっと見には溶接部がほとんど分からないでしょ? 正直、我ながらよく出来たと思う。

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塗装の密着向上と錆防止のためメタルレディー処理を行う。

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継ぎ目が分からないほどの仕上がり。

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溶接は大成功だ。目立ったひずみは無い。

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実はこの後、僕の友人が73年型のマッハ1をボデーレストアしてもらったレストア屋さんにこの車を見てもらった。

所沢市のレストア屋さんで、出張費3万円を払っての見積り依頼だ。

 

僕の所沢の友人が150万円でボデーのレストアをしてもらったというので、この後のレストアをお願いしようと思ったからだ。ここではJさんと呼ぼう。

Jさんは僕の仕事を見て驚いていた。 青い極薄手袋を着けてクォーターパネルを何度も撫でながら、「器用ですねぇ、よくここまで出来ましたね。」と言った。

と同時に、「我々プロはこんな長い溶接はしません。それにこんなカーブの溶接もしません。溶接は普通直線です。」のようなことを言った。

そしてパッチはできるだけ小さい方がいいとも言った。

 

そして肝心のレストア費用であるが‥、

ここまでやると500万円はかかると言われた。しかもパーツ代抜きで。さらに全塗装だけでも100万円からと言われたのだ。

 

話が違う。僕の友人は150万円でやってらった。

 

後で聞いた話だが、友人のレストアはJさんがレストア屋を独立開業して初めての仕事だったのだ。クォーターパネルを交換するような大手術ではなかったものの、予想外に手こずって懲りてしまったらしい。

レストア工賃が大幅に値上がりしてしまったという訳だ。

そんな費用出せるわけない。

 

僕の楽をしたいという希望は断たれてしまった。