館長の気ままな日記

三河工芸ガラス美術館の館長(オーナー) " カズ " こと神谷一彦の勝手気ままな独り言です。

三河工芸の館長が書く日記です

てんてこまい

こんにちは。

 

きょうは雨のお盆休みということで、朝から大勢のお客様が訪れた。

うちは雨の日の方が来客が多いのだ。

 

観覧入館客と体験客、そしてショップの呼び出しが重なって一時はパニック状態に。

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体験の指導説明に入った時に、来館者の列ができ始め、チケット発行の間体験のお客様には説明を待っていただいた。

追い打ちをかけるようにショップから呼び出しが。でも、行けない。

カミさんはバーナーの実演に入っているので席を立てない。

 

こんな具合でそれぞれのお客様にご迷惑とご不便をおかけしてしまった。

 

こんなこと、しょっちゅうあるわけではないが、何らかの対策を考えていかねばと思う。

1971 マスタングマッハ1 デッキショルダーの修復2

こんにちは。

 

デッキショルダーの出っ張りの型を取る。

この出っ張り、ウエザーストリップに侵入した雨水の逃げ道だというご指摘を頂いたが、ちょっと違う気がするのだ。

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型を取るにあたってセメントが鉄板にくっつかないようにメタルラップスプレーを吹きかける。

これは金属表面に剥がせる樹脂皮膜をつくり、金属面を錆や傷から保護するものだが、これを吹き付けておけば最悪でも鉄板に型剤がくっつくのを防いでくれる。

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垂れやすいので2回くらいに分けて塗布する。

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裏面もしっかりコートする。

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型枠を作り、シリコン離型剤を塗った後、その中に圧縮に強いと言われるセメントを流し込む。

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セメントが固まったら型枠を外す。

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セメントの型の上に鉄板を置いてクランプ。ハンマーでゆっくり叩く。

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丁寧に叩いたつもりだったが、十数発叩いたところで型が割れてしまった。

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セメントは想像したより弱く、もろかった。

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材料を変えて型を作り直しだ。

1971 マスタングマッハ1 デッキショルダーの修復1

こんにちは。

 

左クォーターパネルを外すとトランクの横の壁、デッキショルダー(正式名称は知りません)に腐食の穴が多数あることが判明。これを修復する。

いつも感じることだが錆は鉄板同士の合わせ面に発生することが多い。上部の腐食はクォーターパネルのリップ(折り曲げ部)と合わさる面だ。

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反対面。穴を補修した痕がある。まずはこの面を修復しよう。

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12ミリの鉄板を削って面の型を作る。カーブは正確に再現する。

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型に1ミリ厚の鉄板を当ててクランプ。ハンマーでカーブを曲げていく。

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カーブに沿って直角に曲げる。

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今度はテールパネル部分の曲げを型に加工する。

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次にボスの造形。何のためにあるのか分からないが丸い出っ張りがある。(写真中央の左寄り) デッキリッドのストッパーのようにも思うが実際はゴムのストッパーは無い。

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溶接補修がヘタクソなので原形が崩れてしまっている。 そのため完全な形で残っている右側で型を取る。

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多分、対称形だ。

仏具磨き

こんにちは。

 

明日から(明けてきょうから)お盆。接客の合間を見てカミさんが仏具磨きをした。

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去年と同じ液体磨き剤を使う。主成分はクエン酸らしい。真ちゅう製の仏具を数分間液に浸けて軽く磨くだけの簡単な作業だ。

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一昨年まではピカールというコンパウンドの入った金属磨き液で磨いていたのだが、これがなかなかの重労働。一人かかりきりで1日がかりだった。

 

左前が磨く前、その右隣りが磨いた後。白っぽくなってこれが元々の色だろう。

ただ、この液体磨き、良いことばかりではない。

コンパウンドが入っていないので艶は出ない。表面の酸化物が取れるだけなので研磨はしないのだ。

それともう一つ、酸で溶かすので使っているうちにだんだん真鍮の肉厚が薄くなっていくらしい。その点はコンパウンドも同じだと思うのだが、より早く進むと言ことだろう。

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磨きあがった仏具。レリーフの中まで磨けている。コンパウンドではレリーフの溝に粉が残って汚くなったものだ。

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明日からご先祖様をお迎えする。

久しぶりにおふくろとゆっくり話でもしてみようか。

1971 マスタングマッハ1 クォーターフレームEX2

こんにちは。

 

ちょっと間が空いてしまったがクォーターフレームEX(エクステンション)の続きだ。

取り外したEXはこんな状態。酷い錆、とまではいかないものの結構錆が進行していた。

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特に鉄板同士の合わせ面が酷い。やはり合わせ面に湿気がこもり、合わせ面から錆びていくようだ。シーラーをしない限り。

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裏面(トランク内側)は塗装の部分には錆は少ない。

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スポット溶接部分が穴明きになってしまった。(中央寄り右上)

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穴部分を切り取り、

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パッチを当てて、

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仮溶接。

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今回はTIG溶接。

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サンドブラストで錆取り後、「必殺錆封じ」を塗装、その後錆後のクレーターが酷い部分にはアルミパテを塗る。補強になるからである。

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スポット穴周辺にはマスキングしておく。

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DP40プラサフを吹いてひとまず完了。

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これで溶接取付け工程まで放置して大丈夫だ。

これぞ Made in Japan

こんにちは。

 

このところいろんな機械が次々と壊れる。

プロクソンのミニルーターが遂に壊れた。使用中に突然止まったり、動いたり。多分、断線か接触不良だ。

それに軸にもガタが来ている。回転音も「ガ~ッ」と大きい。恐らくベアリングの摩耗。スピンドルを持って横に振るとガタがある。

 

思えばよく持ったものだ。多分買って20年くらいになる。そろそろ買い替え時かと思い新しいのを注文した。

 

上が旧製品、下が新品。新しいのは旧型よりも少し大きく、重くなってパワーもアップしたようだ。

電源を入れると静かに力強く回転する。

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軸受け部が大きくなった。ダブルベアリングベアリングが二個ついているらしい。これなら頑丈そうだ。

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スイッチとスピード調整のダイヤルレイアウトが変更されている。

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壊れた旧製品を捨てようかとも思ったのだが、ただの断線なら直せるかもしれない。

本体を分解したら案の定、電源コードの付け根が断線、新しく長いコードに替えて見事復活した。愛着がわくというものだ。

 

20年ももつしっかりとした作り、スピンドルにガタは来ているもののモーターはいまだに健全だ。

買ってじきに壊れ、捨てられる中華製に比べ、20年も働き続ける小さな Made in Japan 。

 

日本の物づくりの真骨頂をここに見た。

エコアイスが壊れた

こんにちは。

 

美術館のエアコンが遂にいかれた。 しかもこの猛暑のさなか、2台も。

うちのミュージアムにはエアコンが7台あるが、その全てがダイキンのエコアイス。

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エコアイスとは2000年当時、国の補助金付きで販売された省エネエアコンで、夏は深夜電力で氷を作り、昼間に氷の蓄熱を利用して冷房の電気代を節約するというもの。冬は深夜電力でお湯を沸かし、昼間の暖房に当てる。

電気代が安く上がるということで大いに期待されたものだが、実態はとんでもない食わせ物だった。

 

夜間に氷を作ったりお湯を沸かす蓄熱運転をするため、夜間のAM1:00からAM6:00の間はエアコンが使えない。普通の会社なら問題は無かろうが、僕のような創作活動する人は深夜に仕事をすることも少なくない。

夏は暑い室内で汗をかきかき仕事をしなければならない。

 

それと壊れやすい。深夜蓄熱運転のためにコンプレッサーが稼働し、昼間は冷房や暖房の運転のためにコンプレッサーを運転する。

昼夜運転をするのでコンプレッサーには通常の2倍の負荷がかかる。

これまで修理を重ねながら使ってきたが、ついに補修部品も終了となったわけだ。

 

それとタンクの水が蒸発し、頻繁に水の補給をしなければならなかった。これは本当に鬱陶しい作業だった。

 

更に一番気に入らなかったのがそのどでかい蓄熱タンク。1階窓の半分ほどの高さがあり、1階から見えるのは半分エコアイスのタンク。これが建物の周囲を囲んでいるのだ。しかも窓の真ん前を。

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右がタンク、左手前が室外機。中央寄り左奥が新しいエアコンの室外機。

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エコアイス1台分が抜けてすっきりした窓。

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左がエコアイス、右が新機種。

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2台で120万円の出費は超痛いが、エコアイスの煩わしさからこれで少しは解放される。