こんにちは。
ちょっと前にご注文頂いていたフォトグラスの製作をしなくてはいけなかった。 やっと、段取りがついたので今日彫ることにした。
フォトグラスとは三河工芸ガラス美術館が付けた商品名で、ガラスに写真を彫刻するんだ。
ガラスに写真を彫刻?? ぴんと来ない人も多いことだろう。 では、簡単に説明しよう。
雑誌や新聞には写真が印刷してあるけど、どうやって印刷していると思う? あれは写真をアミ点という細かな点に分解して、その点を印刷しているんだ。
フォトグラスも同様にアミ点という小さな点をサンドブラストで彫っている。
実際の品物には上の写真のようなモアレは出ていない。
今回の注文は25年前の新婚旅行の写真をガラスのペーパーウェイトに彫って欲しいというもの。25周年記念ということだろう。
頂いたお写真はこれ、プリントのはがき。多分寄せ書きをスナップして「私たち、結婚しました」はがきにしたもののようだ。
写真原稿の質としては決していい状態ではないがこれしかないとのこと。
オーストラリアのコアラパークでコアラをだっこしたんだね。実は僕らも新婚旅行ではここを訪れ、同じ写真を撮ったんだ。
僕はコアラの毛を記念に持ち帰ろうと、内緒で引っ張ったんだけど、コアラの毛は短くて硬く、抜けなかった。ムリに抜くのも可愛そうなのであきらめたけどね。 そんなことを思い出してしまった。
話が逸れたね。この写真からアミネガというフィルムを作る。これは特殊な印刷屋さんしかできないので外注に委託する。
ほら、よく見ると写真は点でできている。
カットガラスのペーパーウェイトにプライマー(接着剤)を塗る。
アミネガフィルムを使ってマスクシートを感光させると・・、
出来たのがアミ写真マスクシート。
それを先ほどのペーパーウェイトに貼る。ずれないように注意、注意。
それをサンドブラストすると、アミ点の通りに彫り上がる。ただし、ブラストを強く当てすぎたり深彫りすると、ドット落ちしやすいので細心の注意とテクニックが必要なんだ。お顔が飛んだら目も当てられない。やり直しだ。
黄色いテープはガラスの養生だ。
今回は、ペアでご注文頂いた。
この写真はお二人の愛同様、永久に消えることはない。まさに永遠のメモリアル。
このシステムを導入したのは20年ほど前だが、当時はこんなことが出来るんだと驚いた。
綺麗に箱詰めしてお客様にお渡しする。
末永く、ご愛蔵願うばかりだ。