館長の気ままな日記

三河工芸ガラス美術館の館長(オーナー) " カズ " こと神谷一彦の勝手気ままな独り言です。

三河工芸の館長が書く日記です

梅雨の季節の風物詩 庭木の剪定 (1)

こんにちは。

うっとうしいこの梅雨時にも楽しみなことがある。美術館庭園の庭木の剪定だ。

庭園とはいってもそれほど広い庭ではないのだが、何を隠そう、これは僕自身が造った庭なのだ。

20代後半の頃、庭に興味を持ち、自宅の庭を自分で造ろうと考えるようになった。

それまでにも家に庭はあったのだが手入れされておらず荒れ放題になっていたのだ。

京都御所や仙洞御所など名所の庭園や近郊の寺社庭園など見て回った。その中で僕が一番気に入ったのは島根県にある足立美術館の庭園だ。

実際に行ったことはないのだが写真で見る限り芝生と石で構成された明るい山水庭園だ。

ここには及ばないものの素晴らしい日本庭園がかつて豊橋市にあって、名を「名志園」といった。恐ろしくお金のかかった回遊式山水庭園で、池や川もあって実際に水が流れていた。 大きな石をふんだんに使い、形の良い松が何本も植えられていた。広さにして1000坪はあったと思う。それはそれは素晴らしい庭園だった。

 

そんな大庭園など似せようも無いが、イメージだけでも近づけたいと思った。

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西尾市内に福地という地域がある。ここは稲沢と並ぶほどの植木どころで、石を投げれば庭師に当たると言われるほど造園業の多いところである。

僕は当時まだ結婚前で、休日になると母を連れ出しては福地中の庭木を見て回った。いま、うちの庭に植えられている庭木のほとんどは僕と母で探して購入した木だ。 特に4本ある松は全て枝振りに惚れ込んで僕が買ったものだ。だからこの庭には母の思い出も沢山ある。

 

山はサバ土を2トンダンプで買い、それを僕とカミさんとで一輪車を使って築いていった。それを繰り返し、何度も何度も運んで1年がかりくらいで作ったと思う。

そのあとカミさんと芝を張った。

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今のガラス工芸を始める以前、エンジニアのサラリーマンだった頃は休日になると庭中の剪定を自分たちでやっていた。難しいと言われる松の剪定も勉強しながらカミさんにも手伝ってもらってやった。松は1年ほったらかしにすると新芽が伸びてしまって枝振りが台無しになるので剪定は欠かせないのだ。

 

サラリーマンを辞めてガラス工芸を始めるようになってからは庭いじりどころではなくなり、毎年1回、この時期に福地の神谷花苗園さんにお任せしている。

今ある庭園は、僕の造った素人庭園をプロの神谷花苗園さんに作り直してもらったものだ。

もう、30年のお付き合いになるだろうか。

 

つづく