こんにちは。
きょうは昨日にまして暑い日だった。
美術館隣の倉庫にはガラスに関係する資材も保管してあって、温度計と湿度計が置いてある。昼間は窓全開、大きな引き戸も全開にしているが、それでも昼過ぎには倉庫内は気温38.7度、湿度50%になった。
危険なので長時間はいられない。
またまた蝉の話で恐縮だが、夕方頃、倉庫の入り口付近コンクリートの床にアブラゼミが仰向けになって落ちていた。
死んでいるのだろうと顔を近づけてみると、わずかに手足が動いている。
どうせダメだろうが、ヤマボウシの木に留まらせてやろうと拾い上げた。
ヤマボウシの方に歩いていくと、何だか手がチカッとした。見ると蝉が僕の手に注射針のような口を突き立てている。刺さってはいないがちょっと痛い。
オイオイ、僕を吸う気か?
蝉は喉が渇いていると思った僕は教室へ連れて入った。 教室はエアコンのなごりでまだヒンヤリとしている。
スポンジに水を含ませて飲ませてやろうと思ったが、どうやら水は苦手なようである。
スポンジをいやがって僕の腕を登ろうとする。
そのうち最後の力を振り絞ってか、飛んで逃げようとする。
壁やら天井やら窓ガラスにトントンと当たっては窓際に落ちた。
ブラインドの一番下に留まっている。
僕はそれを捕まえて、近くにあった観葉植物に留めてやった。 2時間もすりゃ、また下に落っこちているだろう。
夕食を終えて教室に見に行くと…、「あれっ?」
まだ、留まっているじゃないか。
蝉を驚かせないようにストロボを炊かずに撮ったのでシャッターぶれしているが、よく見ると注射針のような口を観葉植物の茎に突き立てている。
実際に茎に刺さっているかは分からないが兎に角、今でも留まっている。
何だかセミ助けをしたみたい。 明日が楽しみだ。
寝るために美術館から自宅に帰るとき、美術館玄関でヤモリに出会った。
「おぉ!おまえ、やっとかめだなぁ」
以前、倉庫の窓ガラスに張り付いていたり、蔵の庇に居るのを見たことがある。 同じ個体かどうかは分からないが。
ヤモリは家守と書いて家の守り神だ。お前がいりゃ、美術館も大丈夫だな。
うちには普段お客さんの目には触れないが、トカゲやらヤモリやら、いろんな生き物が一緒に生活していて何だかほっこりする。
だって、人間だけの世界なんて味気ないじゃないか。