館長の気ままな日記

三河工芸ガラス美術館の館長(オーナー) " カズ " こと神谷一彦の勝手気ままな独り言です。

三河工芸の館長が書く日記です

逝った先輩たち (11) Fリーダー6

こんにちは。

とにかく言い方がイヤミったらしいのだ。

おっしゃることはいちいちごもっともなのだが、言い方というものがあろうというのだ。

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しかし、のちに彼と離れてみて分かるのだが、僕が技術者として本当に力を付けられたのは、この城山工場の深谷さんの下で耐えた3年間だ。

何度会社を辞めようと思ったか分からない。それくらい辛かったのだ。だけどもともとのんびりでぼんくらな性格はちょっとやそっとじゃ変わらないのだ。

 

おおらかでのんびりした性格は人間としてはいっこうに構わないのだが、エンジニアとしてのんびりやぼんくらはいただけない。

技術者に求められるのは神経質なくらいに研ぎ澄まされた感性と忍耐力だ。

 

昨今、「褒めて導け」という教育方針をよく聞く。発育途上の子供なら良い指導方だと思う。 だけど大人である社員に対しても部下を褒めて良い仕事をさせろという評論家がいる。

僕はそうは思わない。もちろんいい仕事をしたならば褒めることは重要だ。だけど社会では叱られることの方が圧倒的に多い。

 

僕は社会人なら大いに叱られるべきだと思う。客先の会社が下請けを褒めていい会社にしてやろうなんて思うだろうか? とんでもない。

下町ロケット」や「半沢直樹」など、社会派ドラマでよく描かれるように、客や親会社からは罵詈雑言を浴びることの方が多いのだ。もっと言えば世の中では相手を蹴落とそうとする人だっている。

そんなときいちいちめげていたのでは人はやっていけない。 「この野郎!今に見ておれ」という反骨精神が人を奮い立たせるのだ。

そう、優しい言葉は心地よいが、真の成長は悔しさが育む。 何を言われてもくじけない耐性が必要なのだ。

 

若かった僕は耐えきれず、ついに深谷さんに会社を辞めると切り出した。