こんにちは。
きょうは連休中日の日曜。 午前から体験がちょこちょこ入った。
午後になるとサンドブラストやステンドグラスなど、予約の体験を含め、15名近い体験客で賑わった。
その中で男女4名のサンドブラスト、本日最後の体験客様だ。
2時からのスタートで2時間コース、午後4時が終了時間だが、デザインに凝っておられ、一人が4時15分を過ぎても2個目のカットが終わらない。
「お時間を過ぎておりますのでそろそろ終了して下さいね。」とお願いして4時30分頃ようやく終了。
ブラスト彫刻を終えてグラスを水洗し、完成というときになって、グラスの底にイニシャルを入れたいと言い出された。
通常ならブラストを終えて、いったん完成した物に後加工することはお断りするのだが、最終のお客様と言うこともあり、強い要望だったので特別にお受けしたのだ。
それからイニシャルをカットし終えたのが5時くらいだっただろうか、カミさんが
「彫ってきますね」と言ってお客様のグラスを持ってブラスト室に入った。
すぐに、大きな物音と共に
「いゃー!」
カミさんの悲鳴のような声が聞こえた。
「なんだかやな予感」 お客様がつぶやいた。
しばらくしてカミさんが青ざめた顔でやってきた。
「すみません・・、落として・・割ってしまいました。」か弱い声でカミさんがお客様に謝る。
どうやらブラスト機にグラスを入れる際、袖を扉の金具にひっかけたらしい。
落としたグラスはブラスト機の鉄の脚に当たったのだろう、それにしても派手に割れたものだ。
僕も以前、ブラスト機に入れるとき、うっかりグラスを金具に当ててしまい、小さなヒビを入れてしまったことがある。だが、派手に割れようが小さなヒビであろうが、商品価値が無くなってしまったことに変わりはない。そのときは良いお客様で替わりのグラスで了承して下さった。
こうなった以上、ひたすら謝るしかない。幸い今回も優しいお客様で、替わりのグラスでもう一度カットして頂くことになった。
それまでは、お客様の時間超過で早く終了をお願いする立場だったが、逆転してしまった。お客様の作業時間を無駄にしてしまったのだから。
やってはいけない最悪の失敗だ。
お客様が帰られたのが閉館時間を過ぎた午後6時。それでも「ありがとうございました。楽しかったです。」と言って頂けたのは救いだった。
人間である以上、時には失敗もする。だけど二度とこんな失敗はしないように、このグラスはブラスト機の横に飾っておこうと思う。