こんにちは。
僕はどうしてもその個人売買情報のマッハ1が見たくなった。紹介サイトでは「年式の割には錆が少なく綺麗に保たれている」とあったので一見の価値ありと踏んだ。
いろいろチェックポイントを挙げて見分に備えるが、どれだけ注意深く見たってしょせん僕はトウシロだ。ここはプロの力を借りたいところ。
僕は疎遠になっていた東和さんに電話した。困ったときの神頼みだ。
東和さん 「おぅっ、ひっさしぶりだがや。元気にしとったか?」
僕 「東和さん、お願いがあるんですけど。(事情と経緯を説明)‥‥、交通費は僕が持ちますので一緒に神戸まで見に行ってもらえませんか?」
東和さん 「よおござんすよぉ!」
かくして僕と東和さんは神戸までマスタングの見分に行くこととなった。
時は2011年7月25日。かれこれ4年と半年になる。
その日は朝からどしゃ降りで僕は心配になり、家を出る前に東和さんに電話で天気の様子を聞いた。
「こっちはバケツをひっくり返したみたいにガシャ降りだでよぉ、地下鉄駅に行けへんがや。 ま、とにかく(家を)出るで、新幹線で待ち合わせしようや。」
名鉄西尾線9時41分の新安城行きに乗る。新安城で名鉄本線に乗り換えだ。
急いで新幹線切符売場へ駆け込む。すでに5~6人売り場の前に並んでいる。のぞみ博多行き発車まであと7分くらいだ。 それにしてもどうしてこう新幹線は発券に時間がかかるのだ。
イライラが募る。残り3分を切った。
そのとき僕の携帯が鳴った。 東和さんからだ。
「神谷くん、今どこにおる? そろそろホームに来んと間にあわんぞ。」
「それが切符売り場が並んじゃってちっとも進まんのです。」
「だったら神谷くん、入場券を買って入ってりゃぁ。17番線の3号車あたりで待っとるでヨー。」
なるほど~!杓子定規な僕は入場券で新幹線に乗れることを初めて知った。
僕がホームへ駆け上がると程なくカモノハシのような鼻の長~い列車が滑り込んできた。
「ハハッ、間に合ったな」
東和さんが紫色の唇を開いてタバコのヤニで隙間が黒くなった黄色い歯を見せた。
なんと、つなぎ姿だ。
息を切らした僕をよそに、つなぎ姿に傘を持って悠然と列車に乗り込む東和さん。なにかさまにならない。(笑) 何はともあれ列車に乗れた。
「切符なんかょ、電車ん中で買やいいんだわ。そのうち車掌が廻ってくるわ。」
東和さんが笑う。 ところがいつまで経っても車掌が来ない。混雑しているのだろうか? 新大阪を過ぎてもまだ来ない。
「車掌が来ませんね、切符、買えるかしら。」僕が心配になって言うと、
「神谷くん、心配せんでも、誰もただじゃ駅から出してくれへんから。」
なんとも肝の据わった人だ。(笑)
僕たちは結局新神戸駅の精算所で入場券を見せて精算した。
目指すは六甲アイランドだ。
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