館長の気ままな日記

三河工芸ガラス美術館の館長(オーナー) " カズ " こと神谷一彦の勝手気ままな独り言です。

三河工芸の館長が書く日記です

1971 マスタングマッハ1 情熱よ再び5

こんにちは。

続いて東和さんに試乗してもらう。東和さんはいろんな車を運転するので慣れたものだ。

東和さん、カメラマンを務める仲介者のリクエストでちょっと派手にスタートして欲しいと言われたようで、僕にスタートの了解を促す。僕も自前のビデオカメラで録画する。

 

ギャーー ‥!!

タイヤの空転する音を響かせながら マスタングはあっという間に遠ざかる。

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後で聞いた話だが、エンジンはかぶり気味で本調子ではなかったらしい。それでもちょっと強めに踏み込んだだけでアレだそうだ。めいっぱい踏み込むと地面のグリップを失った後輪が空転したままになり、前に進まなくなるのだ。

バーンナウトというやつだ。

 

遠ざかるときのエンジン音はさすがに7リットルのサウンドだ。昔、「バニシング in 60」というマスタングが主人公の映画があった。

1974年公開のアメリカ映画で本編の約半分、40分にわたるカーチェイスが伝説になっているアクション映画だ。 

映画の中のエンジン音と同じだ。♪

 

試乗が終わり商談にはいる。東和さんがメンテの履歴などをオーナーさんに聞いてくれている。 右が東和さん、真ん中がオーナーさん、左が仲介業者「エ〇〇〇の杜」のTさん。

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実はオーナーさん、このマスタングをセミレストアしようと思っていてコツコツと部品を買い集めていたのだが、他にトランザムも所有していて、さすがにこのテの車を2台維持するわけにもいかず、泣く泣くマスタングを手放すことにしたのだという。

だからこのマスタングは車検を一時抹消した状態だ。

このクルマ、仮ナンバーが付いているがこれは試乗用に取ったもの。自宅からここまで乗ってきたわけではないのだ。陸送車で運搬してきたのだった。

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東和さんに価格のことを聞いてみた。東和さんはちょっと困った顔をして、

「中途半端なクルマだなぁ、ガタも来とるしバネもヘタッとる。あちこち痛んどるからなぁ、かなり手を入れんとこのままでは乗れんぞ。なまじ動くからレストアベースというわけにもいかんのだろうけど、レストアベースなら30万だ。 そうだなぁ、この状態でいいとこ80万円じゃねぇの。」

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「え゛~っ !?」 さすがはプロの目、なかなか厳しい見積もりだ。

 

「とは言っても神谷君、代わりがある車じゃねぇからなぁ、あとはおめえさん次第だぞ。」

そこなんだ。売りたい側と買いたい側、どちらにイニシアチブがあるかだ。

 

値引き交渉をしてみる。だがオーナーさん、なかなか渋い。印象を悪くしたら破談だ。 最終的に5万円値引きの180万円で商談成立。

 

持参した10万円を手付金で支払い、後日東和自動車さんまで陸送してもらうことになった。

 

東和さん 「整備はオレが面倒みてやっから。」

 

二人は帰路についた。