こんにちは。
ちょっと間が開いてしまったので、本題の前に今までのいきさつを知りたい方はこちらをご覧ください。
ここまでパッチだらけのフロアを見せられて、このままにしておけるだろうか?
パッチの下がどんな状態なのか見たくなるというのが人情だ。
こんな事まで素人の僕がしなくてはいけないのだろうか・・。やるせない気持ちと不安を抱きながらパッチの溶接を削り取り、パッチを一枚一枚剥がしていく。
かくして僕は「パンドラの箱」を開けてしまうことになる。
車体をジャッキスタンドで持ち上げ、下に潜ってフロア下のアンダーコート(分厚い錆止め塗料)をディスクサンダーを使い、塗料くずをかぶりながら真っ黒になって剥がしていった。
アンダーコートを剥がすと赤く塗装された鉄板が表れた。パッチは赤い鉄板だったのだ。ここは助手席シートのすぐ後ろの部分。
恐る恐る剥ぎ取ると、下から現れたのは錆びて朽ちたままの素地だった。
続いて助手席シートの下の部分には20センチX50センチくらいの大きなパッチが当てられていた。
うわっ!シートの真下には大きな穴が抜けている。
シートプラットフォームの裏側が見えちゃってる。ドン穴だ。
シートの前の部分は恐ろしい状態。天井が見える。
シートプラットフォームを外したところ。室内側からフロアを見ている。助手席の足下などは右半分がまるまる切り取られていた。中央のサビサビの部分が助手席シートの下だ。
穴から床が見える。(・_・;) まさか、これほどとは・・・。
穴というレベルを通り越している。
助手席下なんて今にも崩れ落ちそうだ。
僕はこれを見て無性に腹が立ってきた。
古い旧車だから錆や腐食が来ていることも無理からぬことだろうが、問題はこの直し方なのだ。
錆の根治療を一切せずに、ただ破れたところを目隠しして上から分からないように塗料を塗りたくる。
錆の処理がなされていないので、いくら上から鉄板を貼ったところで下からどんどん錆びてくるのだ。
僕は東和自動車さんに写真を撮ってこのひどい修理を見せた。
東和さんは笑って僕にこう答えた。
「神谷君、板金修理屋なんてそんなもんだって。穴の上から鉄板貼ってパテ塗っときゃ(オーナーには)分かりゃせんもん。そうやって工銭を浮かすんだがや。だから言ったろう、板金塗装屋は近くがいいって。毎日見に行きゃそんなことはできんからな。(笑)」
もちろんこの話に異を唱えるまっとうな修理屋さんもおられるだろう。だが実際の話、これが現実なのだ。
僕は途方に暮れた。