館長の気ままな日記

三河工芸ガラス美術館の館長(オーナー) " カズ " こと神谷一彦の勝手気ままな独り言です。

三河工芸の館長が書く日記です

1971 マスタングマッハ1 運転席側フロアパン取付け3

こんにちは。

今回はフロアパンを溶接した。ラップ溶接である。

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重なり部分にはプラグ溶接。そして鉄板の縁はシーム溶接と言って連続した溶接をしている。湿気が入らないようにするためだ。連続した溶接とは言っても実際に連続して溶接したわけではない。そんなことをしたらひどいひずみが出てしまうからね。

点溶接を繰り返すのだ。一回の溶接時間が0.5秒~1秒くらいの短時間の溶接を、溶接した場所から遠い場所を選んで溶接し、熱が一か所に集中しないようにする。

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前にも書いたがプラグ溶接は溶接された「ふり」をしていることがある。実際にはしっかり溶け合っていないことがあるのだ。そんなところは順番に溶接していくと、突然「パシッ!」と音を立てて離れてしまうことがある。

そんな時はもう一度穴を明けて溶接し直しだ。

 

全て溶接が完了したら溶接ビード(肉盛り)を削って平らにする。

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削りすぎると肉厚が薄くなって強度が低下するのでそこそこにする。

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運転席足元。フロアサポートとの接合部分。

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こちらはミッション部分のクロスメンバー溶接部。

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サンダーが終わったら錆止めと塗料密着を期待してメタルレディー処理をする。

ドライバーズシートの下。

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運転席足元突き当り。

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後部座席足元。

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綺麗に修復できた。この後、必殺錆封じを塗り、溶接継ぎ目のパテ仕上げ、塗装と続く。塗装は当分先。

 

ここまでの流れをあっさり書いて簡単そうに見えるが、実際は入念に位置合わせ、天井までの高さをオリジナルに合わせるなど、相当気を使って作業している。

また、レプロのシートメタルは購入した製品の99%がぴったりとは合わない。常に板金用ハンマーで叩いて修正したり、切断・溶接するなどして寸法を合わせることなどが求められる。そんなのアメリカでは当然のようにやっている。