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館長の気ままな日記

三河工芸ガラス美術館の館長(オーナー) " カズ " こと神谷一彦の勝手気ままな独り言です。

三河工芸の館長が書く日記です

“ 潮騒 ”の島 神島11 島の夜

こんにちは。

僕たちは三島由紀夫が滞在したとされる寺田さん宅を見た後は旅館に戻った。時刻は午後6時頃。夕食は7時に予約してあるので先にお風呂を頂こう。

 

女将さんがきょうのお客は僕たち二人だけなので、家族風呂にどうぞと言われた。

まだ外はガンガンに明るい。こんな時間にお風呂に入るなんて何年ぶりだろう。湯船は大人二人がゆったり入れるサイズで、それこそ何年かぶりでカミさんと入る。お互い腹のたるみは見ないことにしよう。(笑)

風呂に入りながら日が沈むのを見たいと思ったがそれにはまだ30分はお風呂にいなければならない。湯は熱く、残念だがゆでだこになる前に風呂を出る。

 

僕たちが風呂を出ると小学校5~6年の男の子と同じく小学校3~4年生の女の子がお風呂の入り口で着替えを持って待っていた。

僕が「旅館の子?」と聞くとお兄ちゃんが「はい。」と答えた。二人は兄妹だ。僕たちの後に風呂にはいるらしい。

僕たちが「お先に。」と言うと、ニコッと笑って答えた。

 

食事は僕たちの部屋の隣の部屋に用意してあった。

なんと豪華な料理だろう! 僕は普段頑張ってくれているカミさんに美味いものを食べてもらおうと、宿の料金の一番高いコースを予約していたのだが、それでも一人15,000円である。

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料理の内容は大きな鯛の活け作りにアワビ、サザエ、タコ、伊勢エビの舟盛りである。伊勢エビはまだ生きている。

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そして特大のワタリガニ、大きなホウボウの煮魚、ふぐの唐揚げ、サザエの壺焼き、そして伊勢エビのおみそ汁。それに口取りが少々。

さらにテーブルの左下には天ぷらが置いてある。

 

中央の茶色い煮魚はホウボウと言って、器量は悪いが味はあっさりしていてとても美味しかった。久々に水揚げされたから仕入れてきたと女将さんが目を細めた。

これ一匹で腹が膨れちまうよ。

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これ全部を二人で食べるというの?  ムリ。

申し訳ないが4分の1ほどしか食べられなかった。クヤシイ!

 

ひなびた小島の宿だから、質のよい接客や設備の豪華さなど期待していなかったが、魚貝の旨さはそれをカバーして余りある。

三河湾の新鮮な魚が美味いと言うが、太平洋に通じる伊勢湾の綺麗な海水は魚の味に更に磨きを掛けている。

神島の魚は他と違うよ!と聞いたことがあるが、これは本当だ。臭みなどみじんもない。

 

食事が終わり、部屋に戻るとすでに布団が敷いてあって、程なくカミさんは寝息を立て始めた。

 

僕は夜の灯台に行ってみたかったのだが、女将さんに道が細くて危ないからお勧めしないと言われ、断念した。疲れがなかったら懐中電灯を持って灯台に行ってみたかった。

 

夜11時頃、僕は夜の島を歩いてみたくなった。もちろん山には行かない。

 

路地という路地には常夜灯の蛍光灯がともされ、宿のすぐ前の神島港も煌々と常夜灯が幾つも点り、神島の夜は明るい。懐中電灯なしでも歩けるぐらいだ。

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漁港の桟橋に行くと猫が2匹離れて座っている。僕が唇を鳴らすとこっちを向いた。

 

船揚場の水は静かである。波音もしない。どこかで男性の話し声が聞こえる。観光客だろうか?

 

ふと、空を見上げてみた。

星がきらめいている。水平線に近い空は夏特有の霞ががかった黒だが、天頂付近は晴れていて真っ黒、常夜灯の光を遮る建物の影から見ると見事な星空だった。空気が綺麗な何よりの証拠だ。 それはまるで宝石を散らしたよう、プラネタリウムみたいだ。

西尾市の自宅では、火星接近の時も土星と火星、そしてさそり座の主星アンタレスの三角しか見えなかったが、ここではさそり座の星全てが見え、4等星、5等星も見える。

 

僕はしばらく感動して眺めた。こんなに美しい星空を見るのはいつ以来だろう。

 

僕にとってはこの星空が一番のご馳走だった。