館長の気ままな日記

三河工芸ガラス美術館の館長(オーナー) " カズ " こと神谷一彦の勝手気ままな独り言です。

三河工芸の館長が書く日記です

スペクトラム廃業回避?

こんにちは。

 

今年の5月に廃業を通知してきたスペクトラム社。7月まで製造を続けその後は在庫が尽きた段階で廃業という事だった。

ということで、うちも大量にガラスを買い付けた。(と言っても教室向けに買ったものだけど)

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スペクトラムガラスと言えばステンドグラスを一度でも習ったことがある人なら知らない人はいないほどポピュラーでベーシックなガラスだ。

ガラス質は艶やかで色柄も豊富。カットしやすく、価格もステンド用ガラスの中では最もリーズナブルだ。

したがって入門者が最初に買うのはまずこのスペクトラムだ。うちのステンド教室でもこのガラスが一番よく売れる。体験コースのステンドガラスもスぺ(スペクトラム)が最も多い。

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この慣れ親しんだスペクトラムが廃業となるとステンド業界には大問題で、うちのステンド体験コースも値上げせざるを得ないだろう。

 

なぜ、廃業するのだろう。理由は二つ、環境問題と経営難らしい。

 

ご存じだろうが、ガラスの着色には多くの場合酸化金属を使う。例えば青はコバルトや銅、緑はクロム、茶色は鉄、赤は金といった感じ。他にもカドミウムセレンと言った環境負荷の高い金属もよく使うのだ。

環境問題に厳しいアメリカの行政が黙っているはずがない。人体に有害な金属の使用差し止め命令を出せば企業は操業できなくなる。

日本でも豊洲市場が土壌汚染で揺れているのと同じだ。

 

もう一つは経営難。アメリカの高い人件費と高額な環境税が経営を圧迫しているのだろう。

 

ここへ来てそのスペクトラム社の継承者が決まったというニュースが今日、入って来た。

カリフォルニアに本拠地のある "オーシャンサイドグラスタイル″ という会社らしい。工場はメキシコとか。

ひとまず安心。

 

一方でウロボロス社が廃業を決めたらしい。

僕がステンドグラスを始めてからもう3~4社が廃業している。ちなみに日本国内にステンドガラスメーカーは無い。

 

ステンドグラスの未来は厳しい。