館長の気ままな日記

三河工芸ガラス美術館の館長(オーナー) " カズ " こと神谷一彦の勝手気ままな独り言です。

三河工芸の館長が書く日記です

1971 マスタングマッハ1 POR-15の衝撃

こんにちは。

2017/03/07 末尾に動画を追加しました。

 

前回のマスタングブログでPOR-15のラストプリベント(一液性ウレタン防錆塗料)が鉄板表面に密着しないと書いた。

僕はこのことを知らずに右側のクォーターポストの補修やシートプラットホームの補修をした。メーカーの能書きをそのまま信じたからである。

ところが使っていくうちに「変だな?」と思うことがたびたびあった。初めは脱脂が不十分であったり使い方が悪かったのではないかと考えてたのだがどうやら違うようである。

 

この写真は錆予防のために新品フロアにPOR-15を塗ったもの。

60番のサンドペーパーで入念に足付けをし、その後メタルフレップ処理(亜鉛リン酸処理)、シリコンオフで3回くらい脱脂、そのあとPOR-15を刷毛塗りした。

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ところが‥、何週間か乾燥してからマスキングを剥がそうとしたところ、マスキングに付いて塗膜が剥がれてくるではないか。塗膜の端からカッターの刃先で突いてやると、ベロベロといともたやすく剥がれる。

これは何度やり直しても同じ結果だった。

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結論。POR-15は生鉄板には密着しない。

なにもこれはPOR-15だけに言えることではなく、1液性ウレタンに共通して言えることのようだ。同時に試したガードセプター101Pという商品も同様であった。

これには正直、愕然とした。

 

この時以来、僕はメーカーの能書きはそのまま信用してはいけないと肝に銘じた。能書きはそれを自分で検証する必要があると思った。それから僕は良いと思う材料を仕入れたら必ず密着試験をするようにしている。それでも塗装条件や組み合わせによっては十分な性能を発揮できないこともあり、塗装は本当に難しい。この辺りはプロの塗装屋さんでも実は分からないのだ。

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但しPOR-15、ガードセプターの名誉のために書き添えると、錆面にはよく密着するようである。

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僕はこのように錆面の上にそのまま防錆剤を塗るのは単なる補修でレストアとは言わないと考えている。

道具が届かず、錆がどうしても取り切れない場合を除き、錆の上から防錆塗料を塗るのはやめた方がよい。なぜならシリコンやシーラーを剥がしたときにその下から成長した錆でボロボロになった鉄板を幾度となく目にしたからである。

 

現在、防錆剤はに二液型エポキシ塗料でPPGの「DP40エポキシプライマー」か染めQの「パワー防錆」を使っている。これらに「必殺錆封じ」を併用することもある。こちらは共に密着性良好だった。

 

いづれ折を見て防錆塗料の試験結果を述べたいと思っている。

 

2017/03/07 加筆しました。

動画を追加しましたのでご覧ください。

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