館長の気ままな日記

三河工芸ガラス美術館の館長(オーナー) " カズ " こと神谷一彦の勝手気ままな独り言です。

三河工芸の館長が書く日記です

あ~ぁ、ストレス溜まってんな~。

こんにちは。

 

きょう、宅配業者が荷物を投げつけているという話題の動画をインターネットニュースでみかけた。

僕は「おやおや、怒ってるぞ~。」と思った。

www.msn.com

 

配達を仕事にしているプロがお客様の荷物を放り投げるなど言語道断だと思うのだが、僕はストレートに彼を非難する気にはなれなかった。

 

先日も長距離ドライバーの過酷な労働がドライバー不足の原因になっているという記事をご紹介した。

うちにも佐川さんを始めクロネコヤマトさん、西濃さんなど様々な宅配さんが毎日のように訪れる。

中でも佐川急便のドライバーさんなんて、いつも走っている。

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一日にどれくらいの荷物を配達、集荷に回るのかは知らないけれど、きっとすごい数なんだろう。

彼のその日の業務がどれほどだったかは知る由もないが、例えばきょう集荷や配達の予定が何十、何百個とあり、かなりが今日必着指定だったとする。配達先も何十戸もある高層マンションの上層階だったりする。そこへ重たい荷物を担いで行ったものの相手が不在だったりすれば不在者通知を残して再配達しなきゃならない。他にも荷物がいっぱいあるというのに。

道路に出たらイライラに追い打ちをかけるように折からの強風で荷物が飛ばされる。荷物を拾っても拾っても飛ばされる。彼のフラストレーションは頂点に達した。

きっと泣きたい気持ちだったに違いない。

 

荷物が増えるこの時期はこんなイライラが毎日続く。やっとの思いで運んでもちょっと遅れれば客にイヤミの一つも言われる。

 

山のような年賀状の配達に嫌気がさし、年賀状の束をドブに捨てて職場放棄したなんてアルバイトの話を何度も聞いたことがある。

 

実は年明け用の商品をきょう必着で頼んだものがあった。僕が美術館の東外側(入口の反対側)でガラス拭きをしていたものだから宅配屋さんに気付かなかったのだ。

宅配さんはさんざん僕を探したらしく、僕が彼女(中年のおばさんドライバー)に気付いたときは、

「あぁ、良かった!不在通知を置いて帰ろうかと思ってた。」と、笑いながら安どの表情を浮かべた。

「ごめんごめん、申し訳なかった。奥でガラス掃除をしてたものだから。」

「よかったワ! きょう必着になっとるでねぇ。それではよいお年を。」といっておばさんは次の配達先へ向かった。

僕は彼女に手を合わせた。

 

こんな思い出がある。

僕が小学校5~6年生の頃だ。夏休みで家で一人でテレビを見ていた時のこと。家を建て替えるか何かで家には大工が何人か来ていた。 平日だったのか僕の家の人は僕だけだった。

突然、若い見習い大工が部屋に入ってきて、テレビを見ている僕の横に立った。

 

「こちとら働くだけが能じゃねえやい! 」そう言い放って乱暴に座った。

胡坐をかき、足には地下足袋、作業着のままだ。彼はカッカしているようで口をへの字に曲げている。

僕はびっくりしてしばらく彼を見つめていたが、何を思ったのだろう、僕は

「テレビが見たかったらいつでも来ていいよ。」と彼に声をかけた。

きっと仕事が上手に出来なかったのか、棟梁に叱られでもしたのだろう。気が付くと彼はもういなかった。

それ以来、彼が部屋にあがってくることはなかった。

 

人間、イライラして切れることはあるものだ。僕なんか仕事や趣味のレストアが上手くいかない時なんてしょっちゅうだ。超極細のホワイトマーカーが書きたいときにいつもペンキが詰まって何度へし折ってやったことか。

 

荷物を投げつけた彼には一日ゆっくり休養を取って、また頑張ってもらいたいものだ。

佐川さん、クビにはしないでね。