館長の気ままな日記

三河工芸ガラス美術館の館長(オーナー) " カズ " こと神谷一彦の勝手気ままな独り言です。

三河工芸の館長が書く日記です

可哀そうなことをした 池庭の松

こんにちは。

 

ミュージアム前の庭園は僕がまだ機械設計のサラリーマン時代、20代後半の頃作り始めた庭だ。

母が家の改築や庭の造作などが好きで、その影響か、僕は20代半ばで庭づくりに目覚めた。

市内の福地という地域が日本屈指の庭木どころということもあり、休日の度に母と車で福地中を走り回り樹形の良い庭木を探して回った。

今ある庭木のほとんどが僕と母が選んで購入した物である。

 

庭木の中で最初に買ったのが池庭の松で、西尾市憩いの農園で見つけた松だ。背丈は180センチくらいで人間と同じくらい。差し枝の長い美しい姿に一目ぼれして買った。福地の安藤造園さんの出品だった。

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僕は差し枝が枯れ池に低く架かるように仕立てたくて、竹の形をした農業用支柱を枝にシュロ縄で括り付け、庭石に結んだ。

それから35年ほどの月日が経った。その間枝は棒に括り付けたままほったらかし。

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気が付けば縄で縛ったところは大きくくびれ、見るからに辛そう。僕は縄を切って解放してやることにした。

ところが縄は松が包み込むように成長していて簡単には取れない。

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棒の当たっていたところは棒の形にくぼんでいる。

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縄がやっと取れた。可哀そうに縄の痕が深く食い込んでいる。

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棒を括り付けた別の所。縄の痕がくっきり。

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ここの縄はどうしても取れなかった。もう木に巻かれている。 驚くなかれ、左側が幹の方。右が枝先の方。枝先の方が腫れたように太くなってしまっている。

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これで少しは楽になっただろうか?

物言わぬ松に「ごめんね。」と心でつぶやいた。

 

早く元気になってくれよ。