こんにちは。
夜11時ごろのことである。仕事の合間に美術館トイレに。
昼間暑かったのでトイレの扉は開けたままだった。蛍光灯照明を点けたその時、
コンッ!ドン!ジジー!パン!
何者かがトイレの中に突入してきた。
せっ、蝉だ! しかも1匹2匹ではない。5~6匹はいる。
ある者は壁や蛍光灯にぶつかり、ある者は手洗いボールに落ち、ある者は便器の中に入ったりした。
入り口に3匹くらいが仰向けにひっくり返って暴れている。
「なっ、何事だ!」
びっくりした僕は暴れている蝉を両手で包んで外に放り出すが、なにぶん数が多くて、次を放り出す間に前のがまた入ってくる。
トイレの中は飛び交う蝉と暴れる蝉でてんやわんやだ。
そこへカミさんがやってきた。
「何してんの?」
「蝉がいっぱい入ってきて追い出してんだよ!」
「まあまあ、だったら戸を開けたままにして電気を消したら?」
なるほど。オシッコは諦めて照明を消す。
それから2時間くらいが経った。
もう出ていっただろうと思い、トイレの照明を点けた。
「まだいたんか!」
便器の中で涼しそうに眠っているクマゼミ。いや、寝ているのか起きているのか僕にはわからない。
オシッコをかけた蝉がこちらに飛んでこられても困るので、またまたオシッコは我慢だ。
なんだよ、その目は。
頼むから朝までには出て行ってくれよな。
以前はトカゲが便器の中にいたことがあった。
トイレの扉は閉めておいた方がいい。