館長の気ままな日記

三河工芸ガラス美術館の館長(オーナー) " カズ " こと神谷一彦の勝手気ままな独り言です。

三河工芸の館長が書く日記です

POR15は錆にも密着しない

こんにちは。

 

1年ほど前にスフィアの手すりに塗ったPOR15が剥がれてきてお客様の衣装を錆で汚しかねない状態になってきたのでPOR15を剥がし、錆対策をしなくてはならない。

次の休館日まで待っていられないのだ。

 

閉館後。すぐにPOR15剥がしにかかる。ご存じない方のためにお話しすると、POR15というのは錆の進行防止塗料としてレストアラーの間では定番になっているアイテムだ。

錆面に塗るだけで錆に浸透し、錆を固めて進行を防ぐというのが能書きだ。ところがこれがはなはだ疑わしい。

POR15が生鉄板には密着しないことは以前、このブログにも書いたが、生鉄板はおろか、もしかすると錆にも密着しないらしいことが分かってきた。そして錆防止効果も無いようだ。

 

前回塗った時は、浮き錆を研磨パッドである程度落とし、脱脂剤で3回ほど拭き上げ、POR15をハケ塗りしたのだった。

下からぷくぷくと浮き上がり、その一部が剥がれて錆が露出、お客様の服を汚しかねない。

端を剥がしてみると、下から粉を吹いたような錆が。

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スクレーパーでこすると面白いように剥がれる。下地に全く密着していない。POR15の下では錆がしっかり成長している。

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研磨パッドで浮き錆を落とす。錆びの粉が出てくる。

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今回は僕が信頼を置く「必殺錆封じ」をハケ塗り、しばらく乾燥させた後、ミラーシートを貼る。

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これでとりあえずはお客様の服を汚すことは無いだろう。