館長の気ままな日記

三河工芸ガラス美術館の館長(オーナー) " カズ " こと神谷一彦の勝手気ままな独り言です。

三河工芸の館長が書く日記です

タトゥー

こんにちは。

 

きょうはタトゥーをしたお客様が何人かいた。

若者を中心にファッションでタトゥーをする人が増えているようだ。

 

タトゥーは違法ではないし本人の自由なのでこちらがとやかく言う筋合いのものでもないのだが、僕らの年代ではタトゥー = 刺青 = ヤクザというイメージがあって、正直なところ見てあまり気持ちのいいものではない。

きょうのお客様の一人は半そでから見える腕の手首まで刺青があって、もろやくざ風の刺青だった。

派手な高級外車でやってきたのでちょっとビビったが、話をしてみるととても紳士的な言葉遣いだったので入館していただいた。もし、やーさんだったら今後どう対応すべきかマニュアルを作らねばならない。

 

僕の想像ではそのお客様はカッコつけた、かたぎの人だと思う。なぜなら本物のやーさんだったら多分刺青は隠す。

 

僕が学生時代アルバイトしていた新聞のトラック運転手の中に、ヤクザの構成員だという人がいて、刺青をしていたらしいが決して人に見せることは無かった。

 

なぜ、こんな話をするかというと、僕が幼い頃の母を思い出したからだ。

 

幼い頃、テレビではポパイというアニメが放送されていて、日曜の夜の数少ない子供向け番組だった。

ある時、遊び友達だった隣のH君がマジックマーカーを持って来た。ポパイの真似をしようというのだ。

H君は僕と自分の二の腕にマジックでいかりの絵を描いた。ポパイの腕と同じように。

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それを見つけた母が、「一彦!こっちへおいで!」と僕の腕を引っ張った。

母は洗面器に水を入れ、絞った雑巾で僕の腕をごしごしとこすり始めた。

 

かあちゃん、痛いよ。」

「こんなことするんじゃない!」

母は真顔で僕をにらみつけ、いかりのマークを消したのだ。

僕の二の腕は真っ赤にはれ上がっていた。

 

僕はその時、なぜ母がそれほどまでに厳しくするのか理解できなかったが、大人になってヤクザな道に入るんじゃない、という教えだと分かった。

 

母のお陰でそちらの道には入っていない。