館長の気ままな日記

三河工芸ガラス美術館の館長(オーナー) " カズ " こと神谷一彦の勝手気ままな独り言です。

三河工芸の館長が書く日記です

鹿のステンドグラス製作 コパー巻き (1)

こんにちは。

ステンドガラスピースのカットとルーター仕上げが終了、ガラスピースが全て揃った。

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いよいよそれぞれのガラスを組み立てていくわけだが、組み立てはハンダ付けで行う。

ガラスを直接つなげられればいいのだが、実はガラスはハンダが付かないのだ。 そこで鉛の桟 (ケイム)やコパーテープ (カッパーテープとも言う銅の粘着テープ)などでガラスを保持し、それをハンダ付けするのだ。

古い教会のステンドグラスなどは伝統的な鉛のケイムを使った物がほとんどだと思うが近年、鉛のケイムはあまり使われない。

理由としては

鉛は人体、環境に有害であること。

硬くて(コパーテープに比べて)小さな曲げが出来ないため細かなデザインには向かない。

重くて強度が不足している。

ハンダと融点が近いためハンダ付けが難しい。

などが挙げられる。

うちも鉛ケイムは沢山持っていたが、ほとんど使わないため錆びたり汚れたりするので資源回収に供出してしまった。

鉛ケイムに代わって現れたのがコパーテープやジンクケイム(亜鉛の桟)だ。

中でもティファニーが考案したコパーテープは使いやすく、デザインの幅が飛躍的に高まったのだ。強度もそこそこある。

今回はこのコパーテープを使う。コパーテープでないと今回のデザインは製作不能だ。

 

コパーテープと一口に言ってもいろいろなものがある。

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色やサイズ(テープ幅)、裏側の粘着面の色など、様々だ。 我々プロは20種くらいは持っている。ガラスの厚み、ハンダの仕上げの色などで使い分ける。

今回はハンダ仕上げをブラックにするつもりなので裏面黒色のコパーテープを使う。

次回はテープの巻き方を説明するね。

 

つづく