館長の気ままな日記

三河工芸ガラス美術館の館長(オーナー) " カズ " こと神谷一彦の勝手気ままな独り言です。

三河工芸の館長が書く日記です

鹿のステンドグラス製作 仕上げ

こんにちは。

またまたやっとかめになってしまった。

翌日、お施主様のK様が早々と来られた。楽しみにしておられたようで、ニコニコしながら工房に入ってこられた。

作品は夕べのうちに完成、実際取り付けた状態と同じように窓に立てかけておいた。

開口一番、「すばらしい!!」。

嬉しいお言葉。今までの作業が報われる瞬間だ。

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K様も物作りに携わる方らしく、作り手の腐心、工夫、苦労が分かるのだろう、この作品の大変さをよく理解して下さる。

依頼者の思い入れと製作者のやる気が一体となった、依頼者、作り手双方が共に幸せになれるプロジェクトだった。

K様による元々のデザインが秀逸だったことが一番の要因だが、僕もそれをできる範囲で安価に、なおかつ最大限の効果を出すためにガラス選びに奔走した。

複雑だった紅葉のデザインを、紅葉を連想させるガラスを選ぶことでシンプルにできた。

夕日に染まる、たなびく雲や青をとどめた霞。

対岸の丘の下、流れの速そうな川面。・・・青の階調が美しい。

イマジネーションがふくらむ。

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振り返りながら我が子を気遣う親鹿の、優しさの中にも雄々しさを感じることができる。

親鹿を慕い、信じて一所懸命ついていく子鹿。二頭の鹿の力強さの中に、なんともほのぼのとした親子愛を感じるデザインで、僕はとても好きだ。

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そうそうこんな仕事に巡り会う機会などあるものではないが、こういう作品をやらせて頂けたことはとても幸せだと思っている。

明日は作品につやを与えるワックスで仕上げだ。

取り付けは来週と決まった。なんだか娘を嫁に出すみたいで、ちょっぴり寂しさもある。(笑)