こんにちは。
またまたやっとかめになってしまった。
翌日、お施主様のK様が早々と来られた。楽しみにしておられたようで、ニコニコしながら工房に入ってこられた。
作品は夕べのうちに完成、実際取り付けた状態と同じように窓に立てかけておいた。
開口一番、「すばらしい!!」。
嬉しいお言葉。今までの作業が報われる瞬間だ。
K様も物作りに携わる方らしく、作り手の腐心、工夫、苦労が分かるのだろう、この作品の大変さをよく理解して下さる。
依頼者の思い入れと製作者のやる気が一体となった、依頼者、作り手双方が共に幸せになれるプロジェクトだった。
K様による元々のデザインが秀逸だったことが一番の要因だが、僕もそれをできる範囲で安価に、なおかつ最大限の効果を出すためにガラス選びに奔走した。
複雑だった紅葉のデザインを、紅葉を連想させるガラスを選ぶことでシンプルにできた。
夕日に染まる、たなびく雲や青をとどめた霞。
対岸の丘の下、流れの速そうな川面。・・・青の階調が美しい。
イマジネーションがふくらむ。
振り返りながら我が子を気遣う親鹿の、優しさの中にも雄々しさを感じることができる。
親鹿を慕い、信じて一所懸命ついていく子鹿。二頭の鹿の力強さの中に、なんともほのぼのとした親子愛を感じるデザインで、僕はとても好きだ。
そうそうこんな仕事に巡り会う機会などあるものではないが、こういう作品をやらせて頂けたことはとても幸せだと思っている。
明日は作品につやを与えるワックスで仕上げだ。
取り付けは来週と決まった。なんだか娘を嫁に出すみたいで、ちょっぴり寂しさもある。(笑)