館長の気ままな日記

三河工芸ガラス美術館の館長(オーナー) " カズ " こと神谷一彦の勝手気ままな独り言です。

三河工芸の館長が書く日記です

鹿のステンド パティーナ色付け

こんにちは。

きょうは月曜、休館日。天気が良ければ熱田神宮に初詣に行こうかと思っていたのだが、冷たい雨に強風と外出したくなくなる天気なので順延する。氏神様には元日にお参りしたからね。

きょうは鹿のステンド、ハンダ付けの続きをした。夕方ごろには裏表両面ともハンダ付けがすべて完了。

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だいぶお待たせしちゃってるのですぐにパティーナ仕上げをしようかな。

パティーナとはハンダの表面を薬液を使って色付けすることだ。ブラックやアンティーク、カッパーといった仕上げ色がある。

今回はブラック。 まずはスチールウールでハンダ面を磨く。

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作品が小さいときは磨く前に洗剤洗いをしていたが、物が大きくなると洗いづらくなる。洗いを省いていきなり磨いても差し支えない。

要はしっかり磨くことが肝要なのだ。力を入れて素早く手を動かす。タテタテ、ヨコヨコと、向きを変えて磨くと磨き残しが残りにくい。

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ここで気を付けることは、パティーナ仕上げをする直前に磨くこと。時間をおいてはいけない。

これはハンダ表面の酸化皮膜を磨いて除去しているのだから、時間をおくとまた酸化してしまうからだ。

磨く前はこんな感じが・・・、

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磨き終わるとこんな感じ。

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スチールウールの磨きくずを掃除機で吸って、

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さらにティシュペーパーで細かな磨き粉をふき取る。こうすることで薬液を汚さずに長持ちできる。

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今回使うのがこちらのブラックパティーナ。小さい容器に小分けする。

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スチールウールで磨き終わったら直ちにパティーナ液を塗る。時間をおいてはいけない。綿棒を使うとこする力が入れやすい。 液を塗ると瞬時に黒く変色する。

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黒い皮膜が定着するまで5分ほど乾燥させるのだが、ガラスにはみ出した薬液は出来れば早く拭き取った方がよい。ガラスに付いた汚れが取れなくなることがあるからだ。

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5分ほどして表面が乾いたら濡れぞうきんで拭き取る。以前は流し場へ持っていって水洗いしていたが、うっかり破損すると大変なので最近は水ぶきで済ませることが多い。

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左側から鹿の角の上、山の稜線まで黒くしてみた。分かるかな?

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パティーナできれいな黒にならないときがある。 原因はいろいろ考えられるが、一番多いのが磨き工程が不十分なこと。次に薬液が古いこと。他にも気温やハンダの材質、いろいろな要素で真っ黒にならないことはある。

 

満足できないようなら磨きからやり直してみることだ。