館長の気ままな日記

三河工芸ガラス美術館の館長(オーナー) " カズ " こと神谷一彦の勝手気ままな独り言です。

三河工芸の館長が書く日記です

3.11

今でも鮮明に覚えている。

昼下がりの教室で座って作業をしているときだった。なんだかめまいがするような感覚に襲われた。

 

その時、僕の前で作業をしていた女性スタッフが「社長、揺れてないですか?」と言ったのだ。

注意して感覚を集中してみると確かに揺れているようだ。

身体に感じないくらいゆっくりとした、ただし振幅の大きい「揺れ」だった。

「これって地震か?」スタッフと顔を見合わせた。

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生まれて初めて経験する、普通の地震とは違う揺れ。ただならぬことが起きていることは直感的に感じた。

これが東日本大震災の揺れだったのだ。震源から遠く800キロも離れたここ愛知県の揺れがこんなに大きいとは。

 

テレビをつけると津波が到来する様子をライブで映していた。

 

巨大津波なんて映画でしか見たことはない。サーフィンのビッグウェイブのように覆いかぶさるような波を想像していたのだが、実際は全く違った。

少しずつ海面が持ち上がり、やがて防波堤を乗り越えて町に入った。

 

映画とは違うリアルな光景が現実に起こっている悲劇として目に焼き付いた。

 

あれから5年、僕たちは何事もなかったように普通の生活をさせてもらっている。

 

その普通が当たり前ではなかったことに気づかされ、改めて家族が無事でいて仕事が普通に出来ていることにただただ感謝したい。

 

これ以上何を望むというのか。