館長の気ままな日記

三河工芸ガラス美術館の館長(オーナー) " カズ " こと神谷一彦の勝手気ままな独り言です。

三河工芸の館長が書く日記です

アイシン・エーアイ ガラスオーナメント 完了

こんにちは。

アイシン・エーアイ様向けのガラスオーナメント製作がようやく終了。12日が納期だったので休日を返上して夜遅くまで頑張って作業してきたが結局ぎりぎり間に合ったという感じだ。

去年もそうだったが、製作に入る前に試作を行った。この試作で彫る順番や注意する点をあぶり出すのだ。

彫るべきパーツのマスクを剥がし、

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サンドブラストで彫ったところに再びマスクを貼る。

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この時やっかいなのがブラストの砂埃だ。これをきれいにクリーニングする。そしてマスクを再び貼るのだ。この工程にとてつもなく手間がかかる。

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もちろん、こんな手間暇かけなくても普通に段彫りで彫ることは出来る。ただ、普通の段彫りにするとエッジがだれ、作品がぼけた感じになるのだ。

これを僕流に製作すると手間はかかるが、エッジの利いた凛とした作品に仕上がるのだ。

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こうして彫り上がったのがこちら。シャープなエッジでブラウン管時代のテレビと、現代のハイビジョンくらいの差がある。

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これに濃淡を付ける。濃淡は薬液をエアーブラシで吹き付ける。エッジを際だたせたい部分は、ちゃんとマスクをする。

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ちょっと分かりづらいかもしれないが、陰影が加わり、立体感が出てくる。このあたりは美術部にいたときに身につけた技だ。

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表から見ると彫った部分が輝き、ガラスの持つ清涼感が際だつ。

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こちらが出来上がった作品の一つ。全部で6社分ある。

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夕方、担当者に納品に出かけた。担当者のKさんは作品を見てとても感動してくれた。

アイシングループが調達する記念品の中で、間違いなく最高の品物です。」と最大級の賛辞。

多分にお世辞もあるだろうけど、そろばんを抜きにして気合いを入れた作品になったと思う。

 

170社あると言われる先方の取引先から選ばれた6社だ。その栄誉にふさわしい作品に仕上げたいと思ったからだ。