館長の気ままな日記

三河工芸ガラス美術館の館長(オーナー) " カズ " こと神谷一彦の勝手気ままな独り言です。

三河工芸の館長が書く日記です

1971 マスタングマッハ1 右プラットホーム2

こんにちは。

きょうも板金レストア作業の続きです。興味の無い方にとってはかなり退屈だと思いますので申し訳ありませんがスルーしてください。

 

もとの右シートプラットホームはご覧の通り錆と腐食が進行していた。

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特にボルト周りがひどい。表はパッチで補修してあるように見えるが、裏を覗けばこの通りだ。ナットはプラットホーム本体とナット押さえ金具でサンドイッチされた構造だ。こちらは前側のナット部分。金具が腐食で欠けてしまっている。

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こちらは後ろ側のナット部分。念のために後で外してみる。床の溶接部分が腐食でなくなってしまったため白い鉄板を当ててフランジを伸ばしている。

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さて、前側のナット部分から修復しよう。幸いもう一方のナット押さえが錆びてはいるものの原形をとどめている。 これを外して形をコピーする。

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腐食したナット押さえの欠損部分を綺麗に削り取り、鉄板で接ぎ当て(パッチ)を作る。

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パッチを溶接する。溶接肉盛りを綺麗に削り取れば完了だ。

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次に欠損している本体のフランジ部分を復元する。下の写真、本体の一番手前の部分だ。錆穴の下の部分が腐食のため切り取られている。

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短冊状に切った鉄板をスペーサーを交互に入れた万力で挟む。これを力いっぱい締め上げると短冊にプレスの段差ができる。

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段差の量はオリジナルを採寸してそのようにスペーサーの厚みを作る。

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そうしてできたのがこれだ。

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次に段差付きの短冊に切り込みを入れ、立ち上がりの壁を作る。万力で曲げる部分を挟み、板金用ハンマーで端から曲げていく。

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段差の部分はそのまま挟むと段差が潰れて元の平面に戻ってしまうためスペーサーブロックを介して挟む。

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小さい段差も専用の押さえ金具を作って曲げる。

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こうして “らしく” なってきたフランジ部分。

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切り込みの溝を溶接でつなぎ合わせる。

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「つなぎ合わせる」と一口に言うが、溶接部は縮むためそう簡単に角度は合わない。

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溶接を一カ所するたびにフロアパンに当てがい、ぴたっと合うよう修正しながら作業を進めるのだ。

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中央の台形の段差はフロアパンの溝と対称だ。ここは水が後ろへと抜ける溝なのだろう。

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フロアパンには緩やかなカーブがあり、ここを合わせるのが大変だった。

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立ち上がり部分も直線にしておかないとプラットホーム本体と合わなくなる。

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このようにシートプラットホームは予想外の難産となった。