館長の気ままな日記

三河工芸ガラス美術館の館長(オーナー) " カズ " こと神谷一彦の勝手気ままな独り言です。

三河工芸の館長が書く日記です

名古屋刑務所と名古屋拘置所

こんにちは。

僕は昔、名古屋刑務所と名古屋拘置所へ行ったことがある。

服役したわけではない。アルバイトで食材の納入に行ったのだ。

 

僕は学生時代に名古屋市にあった東陽水産という中堅の水産加工会社でアルバイトをしていた。魚の切り身やちくわ、はんぺんなどの練り製品を製造していて、それを得意先に配達する仕事だった。

多くは会社の食堂や中央卸売市場へ納品に行くのだが、変わったところでは名古屋拘置所と名古屋刑務所があった。

もう40年近くも前のことなのではっきりとした記憶はないが、名古屋拘置所は東区にあって、重々しい空気は記憶に残っている。

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入口で受付を済ませ、タバコを預ける。中には持ち込めなかった。ここでは食堂の担当者以外を見かけたことは無く、静かなところだった。後で知ったことだが、ここには絞首刑場があってここで死刑執行が行われるそうだ。

 

続いて名古屋刑務所にも配達に行った。

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名前は名古屋だが当時は三好町にあった。(今はみよし市)

高~い塀に囲まれ、物々しい外観から重苦しいイメージがあったのだが、ちょっと違った。

入口で受付を済ませ、タバコとライターを預けてトラックで食堂脇まで乗り付ける。

刑務官と何人かの服役囚が待っていた。

荷物下ろしは囚人が手伝ったくれた。イメージしていたのとは違って囚人はみな明るい。作業もてきぱきとしている。

僕たち(僕とアルバイト仲間の二人で行った)を見て、40代と思われる囚人の一人が話しかけてきた。

「にいちゃん、シャバじゃそげんな靴が流行っとんかいな。おっかしいのぉ!」

僕たちの学生の頃はパンタロンとヒールのサンダルが流行っていて、僕たちは裾の広いジーパンと、かかとが8センチはあろうかというベッチンのサンダルをはいていたのだ。

「そうですよ。知らないんですか?」

「そっか~、俺らぁよぉ、あと3か月で出所やで。」

人なつっこい笑顔で白い歯をこぼした。

「よかったですね。」 「また、遊びに来てくださいな」‥これは言うのをやめた。

 

ここで手伝ってくれた人たちは比較的刑の軽い人たちらしい。

 

最近、毎日のように殺人事件が報じられるが、そんなことから拘置所と刑務所に思いを馳せた。

 

犯罪は、塀の中の生活が冷静に想像できれば防げるのだろうけど、俗世は目先の欲と怒りに満ちているからなぁ・・。