こんにちは。
クルマのレストアをしているとよく耳にするのが「溶接はできるだけ少ない方が良い。なぜなら溶接部は錆びやすくなるから。」と。
本当だろうか?
きょうはそこんところを確かめてみたい。
以前記事にしたサンドブラスター、現在も製作を続けているのだが、これだけ日にちをかけて作っていると、この梅雨の時期、鉄はどんどん錆びてくる。
作り始めたころは‥、
溶接部はこんなんだった。溶接部の周囲は青っぽく焼けている。
それが2週間もする頃にはご覧の通り、溶接焼けの外側が錆び始める。
そしてひと月もする頃には錆は鉄板全体にうっすらと広がっている。
こちらは溶接焼けの部分も錆が出始めている。だけどここで気が付くことがある。
溶接のビード部分にはまだ錆が無いことだ。
たしかに溶接部の周囲が最初に錆び始めたが、それは鉄板の表面に付いていた油膜が溶接熱で蒸発して無くなってしまったからだ。
その後、鉄板全体の油膜も次第に蒸発して失われるため錆は全体に広がる。
なのに溶接ビードや周囲の溶接焼けの部分にはまだ錆のない所がある。
理由はこうだ。
溶接ビードや溶接焼けは、高温で酸化した黒錆び(酸化第一鉄)で、これは錆に強いのだ。
溶接部が錆びやすいというのは熱により鉄板の油膜や塗膜が燃えてなくなってしまうからだ。だから溶接部はしっかり塗装をすれば錆びることは無いわけだ。
では鉄板を重ねてスポット溶接をしたところはどうするか?
酸素と水分が入らないように周囲をシーラーで密封することだ。クルマの錆びているところは大抵シールされていないか、シーラーが劣化しているからだ。