館長の気ままな日記

三河工芸ガラス美術館の館長(オーナー) " カズ " こと神谷一彦の勝手気ままな独り言です。

三河工芸の館長が書く日記です

“ 潮騒 ”の島 神島9 古里の浜

こんにちは。

カルスト地形とニワの浜を見て、次の目的地は隣の「古里の浜」だ。“ 古里 ”と書いて「ごり」と読む。

 

ニワの浜の吾妻屋から西に向かって細い道がある。それが次の古里の浜へのルートだ。

草がおいしげり地道が見えるのはわずかに20~30センチほど。 大丈夫かしらと不安に思う。まぁ、不安に思う道はいっぱいだったけど。(笑)

 

小学校と中学校を右手に見ながら足元に用心して歩く。

島の規模にしては大きな校舎だ。学校は静かで、生徒の声はしない。校舎のガラス窓の向こうに先生らしい人影が動くのが遠目に見えた。

校庭は広い。コンクリートの校舎は古びて黒くくすんでいて、ガラスが割れている窓もあったが直されないでいる。

 

左手には弁天岬という半島があり、その山をやり過ごすといよいよ古里の浜だ。

弁天岬の岩場から白砂の浜が姿を現した。 実に美しい浜だ。

 

波の音は三河湾や伊勢湾内の静かなそれと比べ、太平洋の力強い波によって明らかに大きい。

 

平らな砂浜の中にとてつもない巨岩が目に入り、思わず感嘆の声を上げてしまった。

大きさはよく分からないが、印象として長さ50~60メートル、高さは20メートルはありそうだ。表面は平らでなく、ごつごつして赤っぽく、山の岩のようである。

この浜でひときわ存在感を放っている。

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それにしてもどうしてこんなに大きな岩が浜にポツンとあるのだろう。山から転がってきたものなのか、あるいは津波が運んできたものなのか。誰がどうやって運んできたのだろう、などと思いをめぐらした。

それともこれは島の一部で、半島のように突き出た山が波の浸食によって島から切り離され、山の頂だけ岩として残った・・とか。

 

そんなふうに考えていたら近くで見たくなった。

僕は階段のない護岸を一人で浜まで降りて行った。

 

ここは映画「潮騒」で海女たちが漁をするシーンの撮影に使われた場所だ。この砂浜で海女たちは自分の乳房を見せ合って自慢しあうのだ。

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岩は近くで見ると、あらためてでかいなと感じる。僕の姿が見えるだろうか?

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巨石のくぼんだあたりに人間くらいの背丈の縦長穴があるのを見つけた。その穴からはこの穴の先にある出口が岩の波打ち際に通じているらしく、ドーン、ジャバジャバ―‥、ゴボゴボと、波の当たるこもったような音を発している。(動画で聞けます)

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この穴を見て、映画「キャスト・アウェイ」で、飛行機事故で無人島に漂流した主人公のジャック(トム・ハンクス)が根城にした洞窟を思い出した。

 

この後、体力を取り戻したのか、カミさんも浜に降りてきて、護岸づたいに浜を散策した。波を身近に感じられ、大いに旅情を堪能できた。

 

次は鏡石に向かう。

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