こんにちは。
2枚の鉄板を突合せ溶接で繋ぐとき、お互いの間を1.5mm~2mmのギャップを開けて溶接するのが一般的であると前回書いた。それを点溶接すると溶接後はギャップが0.15~0.2mm小さくなる。これは実際に僕がノギスで計測した経験値だ。理由は溶接部が融けて固まる時に縮むからである。
この縮みが重なって、いつの間にか大きなひずみや変形になる。
ならばこの縮みを妨げればひずみは起こらないはずだ。
そこで考え付いたのが「溶接のように強い」と言われる強力接着剤JBウェルド(商品名オートウェルド)だ。
こんなテストピースを作ってみた。
一方の鉄板の裏に小さな鉄板の半分をJBウェルドで接着する。
反対面から見ると、小さな鉄板が大きな鉄板からはみ出している。
溶接する相手の鉄板にはプラグ溶接用の穴を明けておく。
プラグ穴を溶接する。これで二枚の鉄板はガッチリ固定されたわけだ。
それではいよいよタックウェルド(点溶接)をしていく。
これはいけるか?と期待を寄せていたが、10か所点付けしないうちに接着面が剥がれ始めた。
結局点溶接を半分もしないうちにすべての接着が剥がれた。
しょせんプラスチック、鉄の収縮力の前にはなすすべもない。
ケミカルを過信しないことだ。