館長の気ままな日記

三河工芸ガラス美術館の館長(オーナー) " カズ " こと神谷一彦の勝手気ままな独り言です。

三河工芸の館長が書く日記です

かわいいお得意様

こんにちは。

 

美術館の入館終了時間が迫った午後5時ごろだった。

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「あらぁ、いらっしゃい。きょうはどうしたの?」カミさんがずいぶんと親しげに話しかける。

僕は受付カウンターに背中を向けて仕事をしていたので誰だろうと思いながら上半身をひねって振り向いた。

「なぁに?また見学するの?」

近くにある矢田小学校の3年生の坊やだった。つい2,3日前にも見学に来てくれた。

 

前回はカミさんが、「ちゃんとお父さんかお母さんにここへ来るって言ってきた?」と聞いていた。

 

「300円ね。」

カミさんがそう言うと、坊やはズボンのポケットから小銭を取り出してカウンターに広げた。前回は100円玉3つだったが、今回は10円玉や5円玉もある。

「なにぃ、もしかして貯金箱から出してきたの?」

カミさんが苦笑いしながらそう聞くと、坊やは「うん」と小さく答えた。

 

「だいじょうぶ? 貯金なんか崩しちゃって。」

何やらカミさんと話をしている。

 

「まけてあげて。」と僕は背中でカミさんに言ったが、まけてあげたかどうかは知らない。

自分が貯めた貯金箱からお金を出して自分の意志で観に来てくれたなんて嬉しいじゃないか。

 

どうやら目的はてっぽう展示館で、きょうは別の友達を連れてきてくれたらしい。

 

閉館時間の5時半近くになって一緒に来たお友達と弾んで話しながら帰って行った。

 

年のせいか、こういう光景を見ると応援してやりたくなる。

なんだかとってもほっこりした気持ちになったきょうである。