館長の気ままな日記

三河工芸ガラス美術館の館長(オーナー) " カズ " こと神谷一彦の勝手気ままな独り言です。

三河工芸の館長が書く日記です

1971 マスタングマッハ1 左クォーターパネル9 取り外し準備2

こんにちは。

 

3日連続のレストア記事です。

寸法の記録は補修後にオリジナルと同じ形を保つためだ。レプロを買ってきて取り付ければ修復が完了するなどと言うような単純なものではないからだ。

そもそもほとんどがそのままでは取り付かない。曲げたり、伸ばしたり広げたりしながらなんとかはまるようになる。

その前になぜはまらないのか原因を探さなくてはならない。

当て方が悪いだけのこともあるし、製品寸法が間違っていることもある。(これが一番多い)

そんな時頼りになるのがオリジナルの寸法なのだ。そして取り外して不要になったパーツもレストアが完了するまでは絶対に捨てない。もしもの時の寸法確認に必要だ。

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クォーターのシェル(内側の骨)とスキン(外側のパネル)の溶接面。現代のようにロボットが行うのではなく、当時は人が重いスポットガンを持って溶接したので溶接面はへごへごだ(波波だ)。

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錆で溶接面が膨らんでいるところもある。シーラーが練り込んであるが、何をしたって錆の進行は止められない。

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クォーターウインドウの辺りの合わせ面。断面寸法を型紙に取る。

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クォーターパネルのサイドラインの型板を当てる。レプロのラインが違っていたら直せないが、取付けの目安にはなる。

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ハンダを取り去った部分の隙間。ハンダの量が分かる。

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リヤウインドウあたりのライン。丸穴はラジオアンテナ用だ。

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左上がルーフ。右下がクォーターパネルだ。リヤガラスの左上の部分になる。

クォーターパネルがルーフの下に入り込んでいる。スポット溶接の周りがへこんでいて、スポットガンが相当大きな力で挟んでいるのが推測できる。ハンダの下に錆は無い。

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ルーフとクォーターパネルの溶接部先端。レプロを見て分かるのだが、クォーターの左先端にはカギ状の出っ張りがあって、それがルーフに引っ掛かるように入り込んでいる。

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これはもう、クォーターパネルを切り取らなければ外せない。