館長の気ままな日記

三河工芸ガラス美術館の館長(オーナー) " カズ " こと神谷一彦の勝手気ままな独り言です。

三河工芸の館長が書く日記です

1971 マスタングマッハ1 クォーターポスト表板3

こんにちは。

 

今回のクォーターポスト表板はあまりにも腐食穴が多すぎる。

今までの経験だとパッチが多ければ多いほど溶接ひずみが蓄積し、目標の形に作るのが難しくなる。何より溶接痕だらけでカッコ悪い。

今回は表板の大半を曲げと絞りで作ることを試みる。だからクォーターポスト表板1で作った曲げ板は使わないことにする。

 

まずはできるだけ正確にオリジナルの形状を計測する。一定間隔を開けて断面形状を写し取る。

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型紙はいつもはボール紙で作るのだが、今回は強度を必要とするため薄ベニヤ板を使う。

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前々回作った型シート。

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材料板に型シートを写す。鉄板はオリジナルよりもちょっと厚い1.2mm板を使う。強度アップだ。

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曲げシロを加えて元板をカットする。これは表面だ。

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表板は逆反りになっているので裏返して木の丸棒で曲げる。

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曲げ金型を作る。H鋼に曲げ型を当ててカットの線を描く。

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ディスクサンダーの切断砥石では曲線が切りづらいのでドリルで穴を明けていく。

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滑らかな曲線に削っていく。

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曲線を切ったら曲げRに削る。白い曲線がRの始まりだ。

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H鋼のフランジ部(上下の平面)は厚みが9mmしかないため9mm以上のRが作れない。9mm鉄板を溶接して肉厚を足してやる。

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この曲げ金型は表板の片側の曲げ専用だ。

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こんな感じの曲線だ。

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これは3mmの真鍮ピン。鉄板と金型を貫通している。これはズレ止めだ。どんなに強く鉄板と金型を締め付けても、ピンが無いと叩いているうちにズレてくるからだ。

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ロッキングクランプで固定する。いやいや、こんなんではとても固定できない。

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厚鉄板で鉄板全体を押さえ、Cクランプでガチガチに固定する。そしていよいよソフトハンマーで叩いて曲げる。鉄のハンマーだと鉄板に打痕が付いてよろしくない。

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どうです?綺麗に曲がったでしょ? これは僕自身も予想以上の出来。

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まだまだつづく。