こんにちは。
三河工芸ガラス美術館の目玉の一つに「彫刻鏡の部屋」がある。
天井、床、壁など全ての壁面が鏡張りという部屋で、ストーリーに沿って四季の景色が映し出される。
すべてが鏡張りなので上演が終了すると室内は真っ暗になる。そこで赤く「出口」表示を点灯していたが、開館してしばらくすると消えてしまった。
だから現在は「出口」と書いたアクリル板を吸盤で出口に貼り付けている。
ところが吸盤なので、よくずれたり落ちたりする。
今回、本来の出口表示を点灯するように修理することにする。
この写真は外の明かりが透けて「出口」を照らしているが実際は「外の明かり」は無いので表示されない。
こちらが「出口」表示のバック照明。赤色LEDが14個付いている。
問題は配線方法にあった。
赤LEDの駆動電圧はたいてい2V(ボルト)だ。電源が12Vなら2VX6=12Vとなり、LEDを6個直列につなげばLED1個当たり2Vとなる。
LEDは駆動電圧より高い電圧がかかると簡単に切れてしまうので、僕は安全のため7個のLEDを直列にしたのだ。
ところがここに盲点があった。
LEDは同じように見えて全く同じようには作られていない。つまり、性能に誤差があるのだ。
複数のLEDを直列につなぐとき、同じように見えるLEDの内部抵抗にも誤差があって、少しだけ他のLEDよりも抵抗の高いLEDには少しだけ高い電圧がかかる。これは直列だからすべてのLEDに流れる電流は同じなので、V=IRの式から導かれる。
少しだけ高い電圧のかかったLEDには他よりも負担がかかる。
その結果さらに内部抵抗が高くなり、さらに高電圧がかかるようになる。
そしてこのLEDが切れれば、直列なのですべてのLEDが点かなくなるというわけだ。
今回の修理では抵抗をかましてすべて並列接続にする。