館長の気ままな日記

三河工芸ガラス美術館の館長(オーナー) " カズ " こと神谷一彦の勝手気ままな独り言です。

三河工芸の館長が書く日記です

ラムエアユニットの修復1

こんにちは。

 

マスタングにはラムエアというオプションがある。

ボンネットに装備され、高速走行時にアクセルをドンと踏むとボンネット裏のラムエアダクトにあるフラップがガバッと開いてラム圧により圧縮された空気をキャブレターに送り込むというシステムだ。

ジェット機のインテークのようでかっこいい。

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ところがこのシステムが生きている個体を僕は見たことがない。

友人や知り合いのマスタングは皆、装置が死んでいるのでそのままにしているか、取り外してしまっている人が多い。

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原因はフラップ(羽根)を開閉するアクチュエーター(バキュームモーターという)が故障しているからだ。

内部にはゴム製のベローズ(蛇腹のようなもの)が入っていて、ホースでインテークマニホルドにつながっている。

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巡行走行時は負圧が高いのでバキュームモーターのレバーは引っ張られてフラップは閉じているが、加速を試みてアクセルをガバッと踏むと負圧が一気に下がってバキュームモーターは内部のばねの力で元に戻りフラップが開く。そしてボンネットに向かって吹き付けるエアーをラム圧で加圧してキャブレターに取り込むのだ。

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僕のマスタングも例にもれずゴムが破れているらしく、モーターは機能しない。

 

このラムエアユニットがレプロで売られているので取り寄せてみた。

ところがそこはレプロである。オリジナルとは似て非なるものだった。

まず、ダクトがフードのインテークにはまらない。形状が微妙に違うのだ。

次にラムエアプレナム。プレナムとは空気を閉じ込める部屋のこと、写真でいう大きな黒い板のこと。

これがプラの一枚板で厚みがあって重い。一方、オリジナルはグラスファイバー製で薄く軽い。

ここはオリジナルを使う。つまりレプロで使うのはバキュームモーターだけ。

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他は全てオリジナルを修復して使うことにする。