館長の気ままな日記

三河工芸ガラス美術館の館長(オーナー) " カズ " こと神谷一彦の勝手気ままな独り言です。

三河工芸の館長が書く日記です

ラムエアユニットの修復2 割れの修復

こんにちは。

 

ラムエアユニットのフラップのあるダクト部分。プラスチック製だが、長年の応力と振動で割れが生じている。

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裏から見るとこんな感じ。

ここはボンネットのインテークにはめ込む部分なので接着剤での補修など到底無理。

はめ込んだだけですぐに接着が離れてしまうだろう。

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こういう時はプラスチックの溶接が最も強い。だけどプラの素材は何?

少しだけ切り取って火を近づけて燃やして匂いを嗅ぐ。

どうやらABSのようだが、はっきりとは分からない。こういう時は同じ材料の中から少し切り取って補修に使う。

10ワットの半田こてを280度くらいに設定してプラを融かし、切り取った同じ材料を一緒に融かして補充していく。

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サンドペーパーで仕上げる。

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こちらの割れはミニルーターで溝を彫り、そこに1.5ミリのステンレス棒を入れる。補強である。

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ステンレス棒を封じ込めるようにプラで溶接する。

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ダクトのリップは長年の使用で歪んでへごへご。これを矯正したい。

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フラップの軸を抜き、フラップをダクトから取り外す。

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ヒートガンを260度設定にしてリップを熱し、柔らかくなったところで角材で挟み、シャコ万で挟んでまっすぐに伸ばす。

そのまま冷めるまで放置する。

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一時的にはゆがみが直るが、積年のゆがみはそう簡単には直らない。

角材を取ってしばらくすると、またもとのように歪み始める。

 

当分、木で挟んだままにした方がよさそうだ。