館長の気ままな日記

三河工芸ガラス美術館の館長(オーナー) " カズ " こと神谷一彦の勝手気ままな独り言です。

三河工芸の館長が書く日記です

ラムエアユニットの修復3 軸のメッキ

こんにちは。

 

ラムエアユニットのフラップの軸。たいてい錆び錆だ。

うちのマスタングも例にもれず、かなり錆びていた。

スチールウールでかなり磨きこんだが、どうしても取り切れない。(写真上)

仕方ないから600番くらいの細かいサンドペーパーで磨く。見た目ではすっかり取れてピカピカ。(写真下)

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これを銅メッキする。メッキの仕方はウェブサイトを参考にサンポールを使う。

1000mlのポリビーカーに軸と銅板をつるす。使用する電源はDC6V。プラスを銅板に、マイナスを軸につなぐ。

ビーカーに軸が入りきらないので半分ずつメッキする。

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サンポールをお湯で4倍に薄めた液をビーカーに入れ、通電。すぐに泡が立ち始める。

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約1時間半後、軸を取り出すと表面は不純物がいっぱい付いている。これはウエスで拭けばすぐ取れる。

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次に錫メッキをする。錫は鉛フリーはんだをつないでコイル状にして電極にした。

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錫電極にプラス、軸にマイナスをつなぐ。サンポールのうすめ液は新しく作り直す。

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通電。泡(水素)が出る。

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1時間半後。右半分が錫メッキ。左半分が銅メッキ。

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メッキが終了して真鍮ウールで磨くと粉がはらはらと出た。

どうやらメッキの密着不良があったようだ。錆が完璧には取り切れていなかったのだ。

ルーペで見ると穴だらけ。穴の下は地金だ。かと言ってメッキをやり直すほどの気力はない。それに錆を取り切るまでに磨くとフラップとのはめあいがスカスカになりそうだ。

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さりとてこのままではすぐに錆びてしまうので軸全体に「必殺錆封じ」を塗る。

これで錆対策は大丈夫だろう。