館長の気ままな日記

三河工芸ガラス美術館の館長(オーナー) " カズ " こと神谷一彦の勝手気ままな独り言です。

三河工芸の館長が書く日記です

危機的なステンドグラス

こんにちは。

 

ステンドグラスと言えばガラス工芸の代表的なジャンル。

ところがこのステンドグラスが危機的状況だ。

 

ステンドグラス制作のためのガラスが無いのだ。

もともとの原因はアメリカの環境基準が厳しくなったこと。

 

ステンドグラスはその多くがアメリカで作られてきた。日本国内では作っていない。

ステンドグラスの板を作るうえで、色の発色に使われるのが酸化金属。

例えば青は酸化コバルト、空色は酸化銅、緑は酸化クロムといった具合だ。

 

それらを使用することが環境汚染を招くので規制が厳しくなり、アメリカでは作られなくなってしまった。

そして廃業したり製造を規制の緩いメキシコや中国に譲渡するということが相次いだ。

ところが製造技術や生産効率が悪く、品質低下や欠品が頻繁に起きるようになってしまった。

そこへきてコロナ禍による生産の中止や製造コストの高騰、物流のマヒが品不足に拍車をかけている。

 

当館でもステンド教室を開催しているが材料の入手が困難を極めている。

求める色がなく、問屋さんも品物の8割近くが在庫切れで売るものがない。

 

当館はステンドグラスの製造が主たる業務ではないが、このままでは材料が無く、教室も立ち行かなくなるかもしれない。

 

一日も早いコロナの終息と物流の回復、製造の再開が望まれる。