館長の気ままな日記

三河工芸ガラス美術館の館長(オーナー) " カズ " こと神谷一彦の勝手気ままな独り言です。

三河工芸の館長が書く日記です

厚塗りパテ 何だこりゃ!

こんにちは。

 

以前補修した左クォーターポスト、他のことをあれこれやっているうちにうっすらと錆が現れ始めた。

いかん!

レストアは長丁場になるので次の塗装と一緒に‥、などと悠長に構えていると、せっかく綺麗になった板金がたちまち錆だらけになってしまう。

それほど日本の高温多湿は板金にとって厄介だ。

 

うっすらと出た錆をサンドペーパーでこすり取り、ソフト99の厚塗りパテを塗る。下地は染めQの「アルミパテ」で大方のデコボコは修正してある。

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ところが何か変だ。1時間たっても硬化する気配が無い。そしてまる一昼夜経ってもこの通り、プラのへらで剥がれてしまう。

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ダメだこりゃ。床はパテ屑でいっぱいだ。

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説明書だと主材100に対し硬化剤2。デジタル秤で正確に測ったので間違いは無いはずだ。

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購入して1年くらいは経っているが、アルミパテはもっと経っているのにまだ十分使える。

 

なにがいけないのだろう。

 

仕方ない。全部きれいにしてアルミパテで仕上げよう。

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ソフト99のパテは二度と使わない。

ジオラマ 駅前歩道の製作

こんにちは。

 

このところず~っと歩道の製作をしている。

当初の図面には建物と道路、山川などのレイアウトは書いたが、歩道や信号などの細かいパーツは何も取り決めていなかった。

だから現在はそのあたりの細かいパーツを考えながら製作しているのでち~っとも進まない。

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きょうは駅前の歩道を作った。

当初は歩道部分にクロスだけ貼ってヨシにしようと考えていたのだけれど、やっぱり物足りなくなって縁石ブロックを取り付けることにした。

厚さ1ミリの発泡塩ビを1.5ミリ幅に切ってブロック色に塗装、歩道の縁に液体接着剤で接着していく。

縁にぴったり合うように慎重に接着していく。ずれたらカッコ悪い。

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駅前歩道は2ピースに分けた。そしてそれらしいクロスを貼る。

クロスは歩行者が目立つ色にした。

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合わせるとこんな感じだ。

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駅前全体がどんな感じになるかは次回お見せします。^ ^

ガラスの妖精

こんにちは。

 

きょうは木曜教室の日。いつも活発なSIさんがステンドのパネルを完成させた。

 

それはガラスの妖精。

基本デザインはデザインブックから選んだものだが、彼女は独自のアレンジを加えた。

いちばんこだわったのは、妖精の体。肌色の流れ模様のあるガラスから濃淡のある部分だけを使い、肌に陰影を持たせたのだ。向かって右上から光が差していて、身体の右側が明るく、左側が影となるようにガラスを使った。

そのために立体感が出、なまめかしい色気を醸している。

羽根は透明のウォーターとハンマーを使い、トンボの羽根のような薄くて軽やかな質感を得た。

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妖精や花、岩など絵以外の背景の部分は実はスケルトン、ガラスが無く筒抜けの状態。

なんともユニークな作品になった。

 

続いていつも笑顔で穏やかなSTさん。きょうは四角形のランプシェードを完成する‥、筈だった。

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仕上げをするつもりだったのだがスタンド選びに時間を取られて完成には至らなかった。

ま、マイペースが彼女の取り柄でもあるので焦らずに行こう。^ ^

 

木曜教室はきょうも平穏無事に過ぎていく。

溶接部の錆止め塗装

こんにちは。

 

毎日毎日、ジオラマ製作に精を出しているのだけれど、なかなか進展しない。似たような記事になってしまうのでついついレストアの記事になってしまう。

 

溶接部が錆びやすくなるというのは本当のようだ。熱で鉄の表面の塗料被膜が燃えてしまい、鉄の素材面があらわになってしまうのと、溶接熱で鉄の組織が変わってしまうのかもしれない。

そんなわけで溶接部の錆止めは本当に悩ましい。

溶接部が表に出ていれば塗装すればよいのだけれど、裏側や鉄板同士の合わせ面にはあとから塗装できない。

今までレストアをしてきて、いつも思うのは、合わせ面こそ錆の発生源なのだ。

 

溶接用防錆剤にはタイホーコーザイの「スポットジンク」や染めQの「スポットシーラー」といった商品があるが、どちらもスポット溶接用で、プラグ溶接にはイマイチ向いていない。熱に弱く、パチパチとはじけて溶接品質が悪くなる。

 

海外には溶接プライマーとして銅や亜鉛が主成分の物が販売されているが、これらはスプレー缶なので輸入できない。保安上空輸できないのだ。

 

そこで僕が思いついたのが耐熱塗料だ。耐熱塗料は耐熱温度650℃ほどある。

これなら溶接熱に耐えてくれるかもしれない。

 

そこで僕は実験してみた。

溶接部は溶接の都合上、2ミリほどマスキングして耐熱塗装をしていないのだが、溶接部の際は見事に塗膜を保っている。 通常の塗料だと溶接の周囲3~5mmは焼けて剥がれたり、泡を吹いてしまうものだ。

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TIG溶接の長時間の入熱にも塗膜を保っている。

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裏側だ。若干、溶接部周辺に変質があるものの剥がれには至っていない。

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僕は「これだ!」と思った。実際、左クォーターフレームの溶接に使ってみたのだけれど、問題が無いわけではなかった。

 

一つは耐熱塗料の主成分がシリコンであること。そのため上塗り塗装が密着しない。ペラペラと剥がれる。

 

二つ目は加熱処理が必要なこと。 本来の塗膜を得るためには180℃30分以上の加熱処理が必要らしい。加熱しない部分は乾いたように見えても半乾き状態のままで、本来の塗膜強度は無いとのことだった。

 

う~ん、これはいけると思ったのだけれど‥、悩ましいなぁ。

 

決め手に欠ける溶接防錆だ。

1971 マスタングマッハ1 左クォーターフレームの修復4

こんにちは。

 

斜め部分の補修続きだ。鉄板の突合せ部のシーム溶接が終わったので本体にプラグ溶接する。

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オリジナル形状を正確に再現できた。

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そのパッチの上隣りがクレーターと錆穴になっている。

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このままにしておく手はない。

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折れ曲がりは3次曲線だ。

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ま、このくらいの板金などどうってことはない。(上から見る)

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オリジナルを切り取った。(右) とパッチ。(左)

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合わせる。プラグ穴周囲と耐熱塗装をした。オリジナルにはスポットジンクを塗布してある。

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溶接。

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サンダー仕上げ。

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肉厚を確保するため削りすぎない。

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斜め部分はこれで完了。

1971 マスタングマッハ1 左クォーターフレームの修復3

こんにちは。

 

サンドブラストで錆除去した面には僕は必ず「必殺錆封じ」を塗布する。

一見きれいに取れたように見えても錆の根っこが残っている可能性大だからだ。

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斜め部分の切り取ったところはマスキングして錆封じが付かないようにした。溶接するからである。切り取り部分の上の方に錆穴がある。後でパッチ修理をする。

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トランクの左側の壁。虫食いがあちこちある。これは取り換えないと。

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内側もきれいになった。

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インナーホイルハウス。内側は錆が無い。

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「必殺錆封じ」を塗って長めに乾燥させる。ネチネチ感がほとんど無くなった頃にパワー防錆をスプレー塗装。早すぎると発泡する。

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中までしっかり防錆塗装。錆穴部分を切り取った。(上)

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パッチを溶接。後は磨いて仕上げる。

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パッチの溶接をする。黒い塗装は耐熱塗料。

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耐熱塗料は溶接熱にも見事に耐える。溶接部の錆防止に取り入れたものだが、これについては別の機会に述べることにする。

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継ぎ目のシーム溶接が終わってからプラグ溶接で固定する。縮み応力を本体に残さないためだ。

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続きは次回に・・。

 

 

足元ランプ

こんにちは。

 

ショップのステンドランプがだいぶ売れてしまったので、補充用としてきょうはカミさんは足元ランプをたくさん作った。

このミニ六角ランプは体験でも提供しているが、ショップの商品としても人気があり、よく売れる。

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もちろん販売用なので、体験では使わない高級ガラスも取り入れている。

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お客様が楽しんで選べるよう、毎回工夫を凝らしているんだよ。