館長の気ままな日記

三河工芸ガラス美術館の館長(オーナー) " カズ " こと神谷一彦の勝手気ままな独り言です。

三河工芸の館長が書く日記です

世はキャッシュレス時代?

こんにちは。

 

今年は外国人観光客を誘致するために館内の多言語化とキャッシュレス化を進めようと思っている。外国人観光客は現金をあまり持ち歩かないと聞いていたからだ。

 

今から2か月ほど前、商工会議所でキャッシュレスのセミナーがあり、参加した。

80名ほどが入れる会議室はほぼ満席でキャッシュレス決済の関心の高さがうかがえる。

 

セミナーは講師のいきなり大声のハイテンションで始まった。

講師はスマートホンのQR決済でポイントがたまり、QR決済を使うことで年間数万円分の得になるという。

知識の差は所得の格差につながり、キャッシュレスを導入しない商店は生き残れないとまで言った。

「現金しか扱わない商店には誰もいかなくなりますよ。皆、ポイントが欲しいに決まってるじゃないですか。」

「キャッシュレスを導入するかしないかは生きるか死ぬかと同じことなんですよ!」

「早くしないと大変なことになりますよ。」

聴講者をあおるようにセミナーは続いた。

 

実際うちのカミさんもスーパーで買い物する際にポイントをくれる日やサービスデーなどを選んで買い物をしているようだ。ただしそれは同一の店で買い物の日を選んでいるのであって、A店でもB店でもポイントさえもらえればそちらに行く、というものではないのだ。

生鮮食品ならA店、総菜ならB店というように買うものによってお店を決めている。鮮度や味付けが違ったりするからだ。

 

 

セミナーの内容をそのまま受け入れない僕の癖だ。

ゴールデンウイークの最中に来館するお客様にこんなアンケートを取ってみた。

キャッシュレス決済、QR決済を使っていますか? 使ってみたいと思いますか?というものだ。

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結果は‥、期待とはだいぶ違った。上の写真はアンケート結果を記したものだが、

QR決済を使っている・・・33組 ( 組とはカップルやグループ連れ )

持っているが使わない・・・7組

使わない(持っていない)・・・249組

実に86%もの人が使わない、あるいは使うつもりはないと答えたのだ。

 

当館もクレカは使えますか?と聞かれることはたまにあるが、ペイペイは使えますか?などと聞かれたことは一度もない。

 

こんな質問もしてみた。

「現金しか扱わないコンビニの前にいます。500メートル離れたところにキャッシュレスのコンビニがあったらあなたはそちらののコンビニに行きますか?」

答えはほとんど「いいえ」だった。

 

もちろんこの結果は当館独自で行ったものであり、これだけで世論を示すことにはならないかもしれないが、大衆のキャッシュレスの意識は低く、キャッシュレス化の土壌は醸成されていないようだ。

実際、このキャッシュレス化を一番望んでいるのは客ではなく、財務省と聞く。金の流れを透明にして税金のとりっばぐれをなくすためだ。

 

 

話を戻すが、お客様はポイントだけでお店を選ぶような単純な購買行動はとらない。

キャッシュレスにしないと生き残れないような店は何の長所も持ち合わせていないのであり、そういう店はキャッシュレスにしたところで早晩なくなるであろう。

 

当館は外国人観光客誘致を目標にしているのでキャッシュレスは進めるが、地域のお客様を相手にする商店は焦る必要はないと考える。

 

「地域ぐるみでキャッシュレスにすれば他の地域からお客様が大挙して訪れますよ。」

 

そんなに甘くはないと思うよ。