館長の気ままな日記

三河工芸ガラス美術館の館長(オーナー) " カズ " こと神谷一彦の勝手気ままな独り言です。

三河工芸の館長が書く日記です

彫刻鏡(かがみ)の部屋 鏡磨き

こんにちは。

 

うちの美術館の目玉の一つに ”彫刻かがみの部屋” 作品名「四季」というのがある。

広さ8畳ほどの真四角の部屋で、壁はもちろん、床も天井も全て鏡張りという部屋である。

壁面の鏡には四季の草木が彫刻してあって季節ごとにライトアップして映し出される。

それが合わせ鏡の仕組みで柄がどこまでも続いて見えるという摩訶不思議な空間なのだ。

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美しい眺めが堪能できるので特に女性に人気の部屋なのだが、鏡張りの部屋ならではの悩みがある。

鏡が曇ってくるのである。梅雨や夏場の湿気の多い時期はなおさらである。

 

壁はほぼ毎週、綺麗に拭き掃除をしているが、天井となるとなかなかそうも行かない。最近、ちょっと遠くが霞んできたなぁ‥、と思っていたので昨日と今日、二回に分けて拭き掃除をした。

 

アルミ脚立を室内に持ち込み、脚立に上ってはエビぞりになって天井の鏡を拭くのだ。湿ったタオルと乾いたタオルで2回拭く。

これがことのほか重労働で、年のせいか一度に全てできない。昨日に引き続き、きょうも拭き上げてやっと完了した。

 

改めて見ると、やっぱりクリアで美しい。

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この部屋は人気があるのだが、あまりメディアの取材を受けたことがない。カメラマン泣かせなのである。

どこを狙ってもカメラ(自分)が写ってしまうのだ。

 

超高層ビルから奈落の底を見るような恐ろしい眺めも見られる。(笑)

安心してください。落ちたりしないから。

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明日からお客様に綺麗な眺めを堪能して頂ける。

スポット溶接機 初心者のツボ

こんにちは。

 

きょうは台風16号が吹き荒れた一日だった。とは言ってもあの「伊勢湾台風」に比べれば赤ん坊みたいなもので、庭木の古い小枝が何本か折れたものの大した被害は出なかった。

ほぼ真上を通ったにもかかわらずだ。

 

さて、スポット溶接機の続きであるが、僕のようにヤフオクなどで古~い溶接機を手に入れた初心者の方に押さえておきたい「ツボ」を少し記しておきます。

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1. 接点を磨く

古い溶接機は錆などで本来の性能を発揮できていない。内部の半導体や基盤の劣化は素人では何ともなりませんが、出力からガンの先端チップに至る接続部分の錆は素人でも磨けます。ここを磨くだけでもずいぶんパフォーマンスが違ってくるぞ。

 

2. 二度打ち

これはプロの板金屋さんのアドバイスだ。チップを引っ込めずにワークを挟んだまま二度通電する。こうすることで確実に溶接でき、溶接強度を確保できるのだとか。

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3. 溶接ピッチを細かくする

これも板金屋さんのアドバイス。溶接する部位にもよるが強度を必要とする部分はスポットとスポットの間隔を2センチくらいに細かくする。自動車メーカーのように強力な溶接ができない以上、数で対抗する。ただし、細かすぎても良くないらしい。

 

4. 出来るだけ遠くを打つ

ひずみの少ないスポット溶接だが、全然歪まないわけではない。熱が一か所に集中しないようになるべく遠い位置を交互に打つのが基本だそうだ。

 

5. マニュアルガン(手動)は役に立たない

ちょっと極端な言い方をしてしまったが、プロに言わせると手動のガンはあまり役に立たないそうだ。加圧力は思いっきりグリップを握るくらいでいい加減なんだそうで、やはりエアーガンの方が力が強く使えるそうだ。

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僕の場合、スポット溶接機の実戦使用はまだ先だが、MIGやTIG溶接に比べ皮手袋は要らないし、溶接面も溶接用マスクも要らない手軽な溶接機だ。

価格が高いことを除いては。

期待外れのスポット溶接機2 思った通りだ!

こんにちは。

 

僕は手に入れた中古のスポット溶接機が本来の性能を発揮できていないと考え、溶接ガンを磨き上げ、電気抵抗を減らし、リフレッシュをすることにした。

 

これが届いたときのエアーガン。長い年月の使用で薄汚れ、酸化して変色した金属表面。

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ボデーはアルミ、アームの一部は銅製、接続端子は真鍮製だ。

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 溶接部。右の丸棒(溶接チップ)がエアーシリンダーで押されて左のチップに当たる。その間に溶接する2枚の鉄板を挟み、大電流を流して発熱、溶接するわけだ。 

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ガンのアーム部分を分解していく。そして部品の接触部分は全て導通ヶ所なので、ワイヤーサンダーで錆を落とし、ピカピカに磨き上げる。

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アームは全て分解、軸も穴の中もピカピカに磨き上げる。本来磨くのは接触部分だけでいいのだが、綺麗になるよう、全体を磨いてやる。

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磨きあがったエアーガン。

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接触部分は特に丹念に磨いた。

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ここは溶接機本体から電気を供給する端子。電源側の穴の内部も磨く。

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綺麗になって、こざっぱりした。

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続いてマニュアル(手動)ガンも磨く。これは磨く前。

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チップは錆びて真っ黒。

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アームも古い10円玉のような色をしている。

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全て分解し、接触部分はとにかくピカピカにする。

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磨きあがったマニュアルガン。

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さて、磨きあがったところで成果は如何に?エアーガンでテストする。

 

効果は歴然だった

写真は一旦溶接をして、それを引きちぎったもの。破断面の写真である。

中央の溶接が磨く前の「強度4」、溶接時間0.7秒だ。

両側は磨いた後。「強度4」で溶接時間はちょっと短い0.5秒だ。

磨いた後の方が溶融スポット(ナゲットという)は明らかに大きい。

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感覚としては磨く前と比べ、倍くらいにパワーが強くなった気がする。

連続して打った時のガンの発熱も磨く前より少ないようだ。

これでなくっちゃ!

 

世は満足じゃ。

期待外れのスポット溶接機1

こんにちは。

 

先日、ヤフオクで手に入れた古~いスポット溶接機。出力アンペアは16000Aと、スポット溶接機の中では強力な部類に入る。

なのにどうも物足りない。テレビで見るような自動車組み立てラインのロボット溶接機が火花を散らすのをイメージしていたからだ。

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僕は先日テスト溶接した試験片を持って、いつもお世話になっている近くの自動車板金屋さんに見てもらった。

 

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「こんなもんですよ、神谷さん。 多分、うちの溶接機と同じだと思いますけど、自動車メーカーの組み立てラインにある溶接をイメージしちゃムリですよ。」

「こんな小さなスポット溶接で板金を組み立てるの?」

僕は心細くなって聞き返した。

「スポットの径はチップの先端径と溶接強さで決まるんだけど、あまり大きなスポットはやれないですよ。その代り僕たちは基本的に同じ場所を二度打ちしますね。」

そうなんだ。

 

 

僕はそれでも納得いかなかった。溶接機本来の性能が出ていないような気がするのだ。

この溶接機は最大電流は16000アンペアもあるが、出力電圧はわずか7.5ボルトだ。電圧が低いと抵抗の影響を強く受けるはずだ。

つまり、 I=V/R の式。

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経年劣化で酸化した電気の接続部分を綺麗に磨いてれば、本来の性能を発揮できるかもしれない。

 

僕は薄汚れた溶接ガンを分解して綺麗に磨いてやろうと思った。

1971 マスタングマッハ1 ブレーキ1

こんにちは。

 

今でこそ乗用車のブレーキは全輪ディスクブレーキが当たり前になっているが、1971年頃は、ディスクブレーキが一部の高級車やグレードの高いスポーティーカーに採用され始めた時期だ。それでも前輪のみディスク、後輪はドラムという構造だった。

それまでは4輪ともドラムブレーキが主流で、国産車でも日産サニーやトヨタカローラといった大衆車は全輪ドラムブレーキだった。

 

ドラムブレーキの利点は軽い力でも制動力が強力で、構造がシンプル、軽量であることだ。

半面、構造上ブレーキの放熱が悪く、繰り返し使用により、制動力が低下する。つまり高速走行向きでない。また、一旦ドラム内に水が入ると抜けにくく、全くブレーキが利かなくなるのだ。

 

 

西尾市に下町という交差点がある。そこはすり鉢の底のような地形で、近頃の「豪雨」とまではいかないまでも、ちょっとした大雨の度に、30センチほども冠水することで有名だった。

僕がまだ、免許取りたてのころ、冠水した交差点を家の車サニーで通った時は肝を冷やした。前方に車が止まっていたのでブレーキをかけたが全く利かない。何度も思いっきりペダルを踏んだが車は滑るように走った。

あわや衝突という寸前で止まってくれたが、心臓はバクバクだった。

 

その後は軽くブレーキを踏みながらゆっくりと走る。その内ドラム内の水が抜け、ブレーキは片利き状態になり、ハンドルが取られるようになる。

そして最後には全部水が抜け、正常に戻るわけだ。

 

ブレーキが利かない怖さをあの時初めて知った。

 

さて、マスタングの話に戻そう。

マスタングもマッハ1を除く下位グレードには全輪ドラムブレーキもあったようだ。

マッハ1は前輪ディスク、後輪はドラムという当時の先端仕様。だけどマスタングのブレーキの貧弱なことは有名なところだ。

ガスを満タンにして人が乗れば2トンにもなる巨体にしては小さな前輪ディスクブレーキ。現代の国産車と比較しても見劣りがする。

僕のマスタング友人が前の車に追突しそうになったと懐述していた。

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まず、ブレーキローターの径が小さい。 そしてキャリパーだってご覧の通り、決して大きくはない。

 

もう少し詳しく。次回は分解してみる。

茶碗蒸しと釜焚き混ぜご飯 料理教室

こんにちは。

 

きょうは月に一度の料理教室。厳ちゃん先生が亡くなられてから息子さん先生に代わり、今は月に一度の教室となった。

沢山料理を覚えたい人にとっては物足りないかも知れないが、もともとものぐさで料理の好きでない僕にとっては、これくらい緩い方が長続きするかもしれない。

 

橋本巌先生の料理は、先生が一流ホテルのシェフをしていただけあって、品があり、芸術的でさえあった。

それに対し、息子さん先生は栄養士であり、凝った料理よりもむしろ作りやすく家庭的な料理を提供してくれる。

親父さんとはカラーが違うが、僕は息子先生の料理の方が親しみやすくで好きだ。

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さて、今夜のお題は3品。

1. 釜焚き五目混ぜごはん

2. ベイシック茶碗蒸し

3. ピーマンの肉詰め

 

こちらが釜焚き混ぜごはんの材料。鶏のもも肉にかまぼこ、干しシイタケとこんにゃく、ニンジン、それに絹サヤだ。お米は洗って1時間置いている。

鶏のもも肉はいつもながら切りにく~い。

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右側のバットとその上の鍋に入っただし汁が茶碗蒸しの材料だ。僕は茶碗蒸しが好きなのでぜひとも覚えて帰ろう!

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卵に栗、サツマイモ、三つ葉、海老だ。大きなエビ!

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最後にピーマンの肉詰め。豚挽き肉にネギ、生姜、卵、パン粉だ。

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ピーマンの肉詰めを焼いているのは僕とグループを組んでくれているJA勤務の娘さん。僕の子供位の年頃だ。

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さて、出来上がりがこちら。

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釜焚き五目混ぜご飯は型に入れておむすび型にする。絹サヤの千切りをトッピング。

緑が生えて見た目にも綺麗だ。

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茶碗蒸し。海老のしっぽがもう少し見えると良かったかな?

でも美味しかったなぁ。スーパーに売られている茶碗蒸しとは全然ちゃうで。

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最後はピーマンの肉詰め。周りにケチャップとマヨネーズが可愛く添えてある。

これも旨い!

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料理教室は、毎回行くまでがおっくうだ。ところが行ってしまえばそれは楽しいものなのだ。

僕とグループを組んでくれるJA勤務の若い娘さん二人が気さくに話しかけてくれるので続けられている。

でなかったら、とっくにやめてたかも。(^^ゞ

鶯・・ではなかった

こんにちは。

 

剝製屋さんから受け取りのメールが来ないなぁ、と思っていたらなんと郵便で封書が届いた。中身を見ると<

「この度お預かりしたのはウグイスではなく、キビタキ♀(メス)でした。

製作に入っても良いでょうか? ご連絡お願いします。」

とあった。

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え゛~っ!そんなはずは‥。

インターネットで調べてみると腹が鮮やかな黄色である。

「全然ちゃうやん! 剝製屋さん、間違ってんじゃないの?」

 

いやいや、さっきのはオスでメスはもっと地味な鳥だ。こちらがネットで探したメス。

う~ん、そう言われればそうかなぁ~‥。

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こちらは同じくネットで探したウグイス。こちらもよく似ている。

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「専門家が言うんだからキビタキなんでしょ?ちょっと残念だけどいいじゃないの。(笑)」

隣で見ていたカミさんが言った。ウグイスが死ななかったのは良かったが。

 

ネットで鳴き声を検索してみる。キビタキは美しい鳴き声で人気があるらしい。ツクツクホーシの鳴き真似をしたり他の鳥の鳴き声を真似することもあるという。器用なやつだ。

www.youtube.com

 

「あぁ、この鳴き声なら庭で聞いたことがある。綺麗な鳴き声だな~って思ってたのよ。」

カミさんが思い出したように言った。

「あの子だったのね~、かわいそうに。」

 

僕は剥製屋さんに電話した。

「ウグイスじゃなかったんですね。」

「よく似てますからね。」と店主。80才くらいの落ち着きのある男性の声だ。

「どうされますか?」

「せっかくのご縁なんで、剥製にしてください。」

「分かりました。それでは進めさせて頂きます。ありがとうございました。」

 

キビタキよ、これでよかったかい?