館長の気ままな日記

三河工芸ガラス美術館の館長(オーナー) " カズ " こと神谷一彦の勝手気ままな独り言です。

三河工芸の館長が書く日記です

1971 マスタングマッハ1 ドアの取り外し取付け台2

こんにちは。

 

ドアを外す前に元の位置関係を測定しておく。例えばドアとクォーターパネルとの隙間、ドアジャム。見た目にも明らかだけど、測っていくと結構バラついていることが分かる。隙間が一定ではないのだ。

実は当時のアメリカ車はこんなもので、ディーラーが輸入して、あちこち手直ししてから販売したなんてことは珍しい話ではなかったとか。締め忘れたボルトが車内に転がっていたり、見えないところに組み立てたフォードの作業者が自分の名前を落書きしていたなんてこともよくあったそうだ。(東和さん談)

今じゃ考えられないね。

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プレスラインの出っ張り具合だって揃っていない。当時のプレス技術はこんなものだったのだ。こういう時はパテ盛りで調整する。

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ドアの前端をフロントピラーにマーキングしておく。最初の位置を忘れないためだ。

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前方から見てドアとピラーのギャップも測っておく。この場合7ミリくらいだ。

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横の寸法も控えておく。

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ヒンジのボルトを緩めて取り外したドア。取り外しは15分くらいだ。

当時の日本車に比べてドアの厚みは3倍くらいある。内部には側面衝突に備えて横方向のチャンネルが溶接されている。当時の国産車には無かった。

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移動も楽々だ。

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ドアが取り外されたボデー。ホイールアーチの周辺が錆穴だらけだ。

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旧車の素性なんて外見からは分からない。プロが見たって同じだ。

塗装を剥がしてみることで初めて見えてくる。

1971 マスタングマッハ1 ドアの取外し取り付け台1

こんにちは。

 

クルマのドアの取付けや取り外しをしたことはあるかい?

無いだろうなぁ。

 

僕は、マスタングのドアを外す際、どうすればいいのか真剣に悩んだ。一人で持てないからである。

取り外しならまだしも、取付けとなると微妙な高さ調整を、たとえカミさんの力を借りるにしても果たしてできるだろうか。

 

東和さんに聞くと、「ガラスやレギュレターを外して中身を空っぽにしたって30キロはあるからなぁ、重さはハンパ無いで。ハハッ!」

解決になってない。

 

静岡の友人に聞くと、「僕はミカン箱を幾つか積んで、高さ調整してやりましたよ。でも、大変でしたよ。(笑)」

 

うちにはミカン箱は無いからなぁ。

 

そこで元設計屋の僕は「取り外し&取付け台」を作ることにした。

図面を引いて加工しやすい木で作ることに。材料は安価なSPF材だ。

まずはフレームを作る。

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上下に可動するキャリアを取り付ける。支柱が傾かないように、念のため筋交いを入れてある。

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大きめのキャスターを取り付け自由に移動できるようにする。四角の枠が少しだが上下に移動できるようになっている。

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ドアの下側を支えるアーム。上のボルトでスイングしてドアとロッカーパネルの隙間に爪を入れてドアを支える。支えたら木製の三角ブロックをアームに挟んで固定する。

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上のアーム。ドアの上を掴んで倒れ止めをするのだ。

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次回は実際にどう使ったかを説明する。

 

2016 秋の゛西尾 街のふれあい教室” ガラスチョーカーを作ろう

こんにちは。

 

秋のふれあい教室のもう一つの講座はバーナーワークです。

バーナーワークは当館体験コースにもある種目ですが、今回はガラスビーズのチョーカーを作ることに限定して行います。

通常の体験コースよりもリーズナブルな価格設定にしてありますのでトライしてみては?

 

まずはお好きな色のガラスを選んで頂き、バーナーで玉を作ります。

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ステンレスの軸に溶けたガラス棒を巻き付けます。今回は通常体験よりも大きなバーナーを使う予定です。

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細引きといって、ガラス棒を太さ2ミリほどに延ばしたもので絵付けをします。

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色違いのほか大きい玉、小さい玉を作ると面白いのができますよ。

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革ひもを通してチョーカーにします。

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手作り感、バッチリです。きっと、「自分で作ったの?」と聞かれますよ。

 

お申し込み、詳しくはこちらからどうぞ。市外の方も申し込めます。

http://www.japan-net.ne.jp/~artglass/oshirase.html

 

2016 秋の゛西尾 街のふれあい教室” ボトル彫刻

こんにちは。

 

恒例となった西尾商工会議所主催の "西尾 街のふれあい教室” 秋の部の受付が間もなく始まります。

しばらくの間、ステンドグラスの製作が続きましたが、今回はぐっと趣向を変えてボトル彫刻とバーナーワークです。

 

これまで注文でしか受付けしなかったボトル彫刻を、今回自分で作っていただこうという初の試みです。

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サンドブラストの体験と作業内容は似ています。ボトルにマスキングシートとデザインを貼ります。 必要ならラベルも剥がしておきます。

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アートナイフで文字を切り抜きます。

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サンドブラストで文字を彫刻します。

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金、または銀を吹き付けてマスクを剥がせば完成です。

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今回だけの教室です。この機会をお見逃しなく!(ボトルはご持参ください)

市外の方も申し込めますので詳しくはこちらをどうぞ。

http://www.japan-net.ne.jp/~artglass/oshirase.html

 

お申込み受付けは10月16日(日) からです。

ジオラマ アスファルト舗装製作 ライン引き

こんにちは。

 

ジオラマの左岸、メインストリート以外の道路のラインがようやく引けた。

道路のライン引きは実に大変な作業だった。

 

発泡塩ビ板のベースにプライマーとアスファルト色のグレーを塗る。

メインストリートのグレーがミニカーのタイヤで溶けて塗り直した経験からラッカースプレーは使わない。 自動車用の二液型ウレタン塗料を使う。

 

そして道路の白線をデザインする。道路にはセンターライン、停止線、矢印などいろいろな標が描いてある。

このデザインにことのほか手間取った。なぜなら図面の線と実物の線を照合しながらデータを作らなければならないからだ。

 

やっと図面データが完成したところでカッティングマシンでマスクをカットする。

塩ビ板にマスクを貼って手でカットする訳にはいかないのだ。塩ビ板が傷つくからである。

 

マシンでカットしたマスクをアプリケーションシートで塩ビ板に転写、つや消し白のウレタンを塗装する。

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その白も、あまり濃く塗らない方がよい。新しい道路ではないのだから、車や人が通って濃淡が付いている。

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塗料が乾燥したらマスクを剥がす。

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横断歩道やセンターラインが現れる。

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マスクを剥がし終えた道路パーツ。

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左岸の上に配置してみた。

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メインストリートの眺め。

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駅前のロータリー。ロータリーの上の方はバス停だ。

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次は街灯を作る予定。当初の予定にはなかったんだけど、急きょ作ることにした。今どき街灯の無い道路はないからね。

しかもこの街灯は、夜になったら点灯させなきゃならない。

 

仕事はどんどん増えていく。(-_-;)

1971 マスタングマッハ1 ブレーキ4

こんにちは。

 

こちらが前輪ディスクブレーキの11.75インチローター。放熱用フィン付きでブレーキダストを効率よく排出するらせん状のスリットが切られている。

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オリジナルはワンピースの一体型だが、ウィルウッド製はスリーピースだ。ハウジングとハブが別部品になっている。

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でっかいキャリパー。アルミ製で対向4ピストン。ブレーキパッドをより均一に押し付けられる。カタログ写真では赤色だったが、製品は黒だった。

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こちらはカタログのリヤブレーキ。気を付けなくてはいけないのは、パーキングブレーキ付きを選ばなくてはいけないこと。

多くはレース用なのか、パーキングブレーキ無しのブレーキが売られている。

ローターにはスリットのほか冷却穴までついている。まさにレース用だ。

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カタログを注意深く読んで「パーキングブレーキ付き」というのを確認すべし。

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そうそう、こちらが肝心のパーキングブレーキだ。これがハウジングの内側に付く。

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こちらがキャリパー。今度は赤だ。

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ピストンは前輪と同じく対向4ピストンだが、大きさの違いは歴然だ。

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ブレーキシュー。上が前輪用。

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これらを取り付ければ、現代車にまったく引けを取らない高性能ブレーキになるが、心配なのはちゃんとついてくれるかどうかだ。

オリジナルではないだけに想定外のトラブルが常についてまわる。

 

1971 マスタングマッハ1 ブレーキ3

こんにちは。

 

マスタングの前輪はディスクだが後輪はドラムブレーキ。当時としてはオーソドックなものだ。

ドラムの中に三日月形のブレーキシューが向かい合わせに取り付けられていて、ブレーキペダルを踏むとドラム中央下にあるシリンダーのピストンが油圧で両側に張り出してくる。

ピストンはブレーキシューに連結されていて、シューとドラムがこすれあって制動力になる。

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軽い踏力で大きな制動力を得られる反面、熱や、水の侵入による制動力の低下が起きやすい欠点がある。

僕はハイウェイを安心してドライブするためにも後輪のドラムブレーキをディスクブレーキに交換したいと考えていた。

 

ブレーキ交換と一口に言っても簡単な話ではない。オリジナルの部品交換をするだけならまだしも、新規に高性能ブレーキに載せ換えようとなると、非常に沢山の種類の中から適切なものを選ばなくてはならない。

これが骨の折れる作業なのだ。

 

例えばローターの大きさ。マスタングの15インチホイールに入る大きさを選定しないといけない。つまりキャリパーが干渉しないかどうか。

 

届いたブレーキキット。アメリカのブレーキメーカー、ウィルウッド製だ。

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ベアリングやブレーキホースなど。

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フロントは15インチホイールに収まる最大径の11.75インチローター。

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