館長の気ままな日記

三河工芸ガラス美術館の館長(オーナー) " カズ " こと神谷一彦の勝手気ままな独り言です。

三河工芸の館長が書く日記です

インプラントって一生ものじゃなかったの? 2

こんにちは。

 

手術後1週間は顎が腫れ、傷口から染み出る出血を殺菌うがい薬で日に何回となく口をすすぐ。

痛み止めを飲みながら1週間を悶々と過ごした。食事もろくに喉を通らない。片方の奥歯ではまともに噛めないからだ。

当時、僕はすでにサラリーマンを退職してガラス工芸の自営をしていたので誰にも迷惑をかけることはなかったが、これがサラリーマンだったらとても仕事なんてできなかったろう。

カミさんもできるだけ僕が食べられるよう、おかゆにしたり、おかずを軟らかく煮てくれたりした。

 

毎週、名古屋まで通い、消毒しながら経過観察をする。義歯をかぶせて何とか噛めるようになったのは2~3か月してからだったと思う。インプラントの周りに骨が出来て安定してからなのだ。

僕はこのインプラント手術にざっと60万円を支払った。

 

10年くらい経った頃だろうか、インプラントを埋め込んだあたりが痛くなった。

急いで名古屋の先生を訪ねると、

「炎症を起しているね。歯はぐらついていないようだから大丈夫。ヨードで消毒して様子を見よう。」

「先生、インプラントってずっと使えるんですよね。寿命はあるんですか?」

インプラントの寿命? 大体15年くらいだよ。」

先生は平然とそう言い放った。

 

「え~っ、それじゃ、そのあとは‥?」

「取り出すしかないねぇ。」

 

これを知っていたら僕は手術をしただろうか。 ‥分からない。

 

その後は痛みも治まり、炎症はなくなった。

それからというもの、僕は少し痛みが出ると先生がしたように「イソジン」で義歯と歯茎の隙間を消毒するようになった。

 

インプラントは自分の歯と同じように噛める? 本当だろうか? 少なくとも僕にとってはそんなことはなかった。固いものを強く噛むと痛みが走るし、その後炎症が起きる。

この25年間、僕はインプラントをいたわるように大事に使ってきた。ウォーターピックも歯間ブラシも使い、口内トリートメントも行った。食後はすぐ歯を磨いた。

 

それでもこの1年くらい前からなんとなく奥歯がぐらつく感触があった。時々痛みもある。そんな時はイソジンで消毒するのだが、だんだん痛みが治まらなくなってきた。

 

不安になって、現在のかかりつけ医である安城市のSN歯科で診てもらうと、

「神谷さん、インプラントが完全に動いちゃっていますね。だからブリッジをかけた糸切り歯に負担がかかって崩れちゃってます。」

「先生、どうすれば‥。」

「取り外すしかないですね。紹介状を書きますから刈谷豊田総合病院の口腔外科を受診してください。」

 

 

「かなり初期のインプラントですね。インプラントの上から歯周病菌が侵入して骨の一部が溶けてしまっています。」

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刈総の先生はそう説明し入院手術を希望するか日帰り手術を希望するか尋ねた。

僕は日帰りを選んだ。麻酔の種類が違うのだ。

あの辛く苦しい30分がまたやってくる。

 

手術は1か月後に決まった。