館長の気ままな日記

三河工芸ガラス美術館の館長(オーナー) " カズ " こと神谷一彦の勝手気ままな独り言です。

三河工芸の館長が書く日記です

1971 マスタングマッハ1 クォーターパネルライン確認

こんにちは。

 

僕は左のクォーターパネルを交換する前に、果たして自分のマスタングのラインが正しいのかどうか知りたくなった。

懇意にしていただいているマスタング仲間が静岡県富士市にいる。僕のマスタングから採った型紙を持って比べてみさせてもらうことにした。2015年1月5日のことだ。

この日は正月以来初めて晴れた日で見事な富士を見ることができた。

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いちばん親しい友人のUMさんはもう一人のマスタング仲間であるSNさんの家にいた。彼らは大の仲良しで家も近く、毎日のように会うらしい。

UMさんのマスタングは僕と同じ71年式のマッハ1429エンジン。彼独自のワインレッドとグロスシルバーのボデーカラーが現代風でカッコいい。

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一方のSNさんは73年式のマッハ1351エンジン。なんと新車で買ってず~っと乗り続けているスーパーワンオーナーさんだ。僕もできることならそうしたかった。

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まずはホイルアーチの中央から。

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右も左もよく一致する。

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続いてUMさんのマスタングは‥、合わない。UMさんのマスタングは前オーナーさんがオーバーフェンダーを大きくカスタムしたようだ。

 

UMさん、この日まで全くそのことに気付かなかったそうだ。ま、滅多なことではラインの比較なんてしないからね。(笑)

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次にホイルハウスのすぐ前。若干中央部に隙間ができるがよく合う。

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UMさんも今度はよく似た感じだ。

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ドア側はほぼピッタリ。 なんだか嬉しくなっちゃう。

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テール付近もピッタリ。

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UMさんもサイドモールが無ければピッタリだろう。

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最後にサイドライン。よく合うがピッタリとまではいかない。

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UMさんも、

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ここまでで分かったことは‥、僕のマスタングはオリジナルのラインであること。(よかった)

そして当時のアメ車のボデーは5~8ミリは当たり前のようにバラついていることも確認できた。

 

結論。ボデーに関しては完璧を求めてはいけない。オリジナルですら相当バラついているのだから。

1971 マスタングマッハ1 左クォーターパネル4 分解スタート

こんにちは。

 

右を分解したときの経験から初めての時のような不安はない。まずはホイールハウスとクォーターポストの間を切る。

なぜここから切るのかは僕も良く分からない。ユーチューブ動画を参考にしたからであるが、恐らくクォーターパネルの腐食は下の方に集中しているので状態を見ながら下の方からカットしていくのではなかろうか。

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右と同じく、クォーターポストの下の方はリップが無くなっちゃってる。

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今度はホイールハウスの後ろ側を切っていく。

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右側の時もそうだったが、カットした線で上下がずれていく。

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ホイールハウスが継いであるのが分かる。この辺りは右も左もパッチだらけだった。

根本治療を行わないうわべだけの修理なので、錆がすぐに再発して短期間でまた補修と言うことになる。ここはパッチが3重になっていた。(笑)

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クォーターパネルはいきなりテールパネルに溶接されているわけではなく、あいだに「クォーターパネルエクステンション」というパーツがある。

毎度のことだがパネルの合わせ面は錆だらけだ。

鉄板は合わせ面から錆びる。

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作業を進めていく間もずっと、僕にはある迷いがあった。

ガラスオーナメント 表面彫り

こんにちは。

 

きょうは振り替えの休館日だったが、僕もカミさんも休みなし。アイシンエーアイ様向けのガラスオーナメント製作の作業をした。

納品まで残すところ20日。だけど休日に休んでいたら間に合わない。表彰式の日程が決まっているので納期は絶対だ。

 

きょうは表面の賞名、社名を彫った。

カミさんがカット文字を抜き、その間に僕はミッションの段掘りを行う。

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段掘りを終えた後のカス。数ミリの小さなパーツがいっぱいある。

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通常のノズルでは細かく彫れないので特製ノズルを自分で作る。

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表面の文字にはゴールドとシルバーの色を入れる。

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途中でトラブルが発生。対処していたら夜中の2時半を回ってしまった。急いで風呂に入って寝ることにする。

 

明日も段彫りの続きだ。

1971 マスタングマッハ1 左クォーターパネル3 型取り2

こんにちは。

 

プロのレストアラーに曲線の溶接なんてしないと言われながら、他にいい方法が浮かばないので性懲りもなく右側と同じ手法で修復することにする。

「へび」と呼ばれる曲線用自在定規を使ってアーチを描く。

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錆は下半分に集中しているので右側と同じようなラインになった。

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クォーターポストの塗装を剥がすとおびただしいパテ。なんだか嫌な予感。

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作業を重ねるうちにいろんなことに気が回るようになる。より正確に溶接できるようにクォーターのサイドラインも型取りすることに。

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縦のラインと横のラインを取ることでより正確に修復ができる。

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リヤホイールハウスの前側。つまりクォーターパネルとロッカーパネルの溶接部。まっすぐではなく、3ミリほどずれて溶接されている。当時のアメ車なんてこんなものだ。

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クォーターポストの付け根付近。パテを剥がすと沢山の穴が見て取れる。

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上の方まで穴だらけだ。

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こりゃあタフな作業になりそうだ。

ガラスオーナメント マスク貼り

こんにちは。

 

きょうはマスタングの話をしようかと思っていたのだが、時間が無いのでガラスオーナメントの話を手短かにする。

 

試作を作ってみて、改善を要する箇所があったのでデーターを修正。その後表彰社名のカットに入った。

実はつい先ほどまでかかってマスクを貼り終えた。

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白い部分がマスク。シート節約のために全面には貼らない。また、全面に粘着のあるマスクを貼ると剥がすときに大変だ。

この後カットしてある文字を抜く、「カス取り」という作業がある。

ピンセットで一文字一文字剥がしていくのだが、手作業で手間のかかる仕事である。

 

これはカミさんに頼むが一日では終わらない根気の要る仕事だ。

 

明日はマスタングのお話をします。

ガラスオーナメント製作開始

こんにちは。

 

きょうからアイシンエーアイ様向けのガラスオーナメント製作にかかった。

サンドブラストで彫刻をするため、ガラスの表面にレジストと呼ばれる研磨剤を跳ね返すための粘着シートを貼る。

ガラスの表面には目には見えないが長時間保存すると油膜や湿気垢のようなものが出来、シートの粘着が低下するのだ。

だからすべてのオーナメントを洗剤で脱脂洗浄する。 これはカミさんに任せることにする。

注文数は10個。

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僕は先日から試作彫刻をしていて彫りの問題点をあぶりだす。

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試作は完了したがここまで彫るのに3日ほどかかった。納期は来月の10日だから10個彫ると単純計算で1か月かかることになる。

間に合わない。

が、人間、やっていくうちに作業が習熟してくるものである。だから多分間に合う。

 

今回、彫り方を変えたので、去年までの物とは迫力が違う。裏面から見ると彫りの深さが分かる。

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明日は効率よく彫れるようにカットデータを修正する。

ガラスオーナメント試作中

こんにちは。

 

今日からアイシンエーアイ株式会社様向けのガラスオーナメント試作に入った。

毎年、作品をとても気に入っていただいて、今年も注文を頂いた。

手前みそになるが、先様から作品に関しては素晴らしいの一言で、何の改善要望もない。今年も同じようにお願いします、なのだが、僕としては何か去年までとは違う技法を取り入れたいと思うのだ。

 

去年も同じように思ったのだが、納期に余裕が無かったのと、技術的に難しかったので断念、例年通りの手法で精いっぱい作り上げた。

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今年ももう一度チャレンジだ。

先様からは何の不平も出ていないのでわざわざ儲けにならない苦労をして新しい試みなどする必要はさらさらないのだが、これは僕の心癖だ。

先様をもっと喜ばせて差し上げたいと思ってしまうのだ。

 

だから僕は金儲けが下手なのだ。(笑)

今年のお題はこちら。小型のマニュアルトランスミッションだ。

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小さいので彫りは大変だが、綺麗に仕上がれば見事なものだ。

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もっとダイナミックな作品に出来ないか、只今思案中。

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ただし、あまり時間は無い。