こんにちは。
きょうは休館日、久々にゆっくりできた。とは言っても遊んでなんかいないよ。
ランプの型作りや溶接実験の準備などをしていたのだ。
夕方、僕は倉庫で溶接作業の準備をしていたのでカミさんは一人で在所へ行った。
2時間ほどで帰ってきたが、なんだか様子が変だ。ひどく落ち込んだ顔をしている。
「在所で車をぶつけちゃった。」
僕 「え゛~ !!」
カミさん 「門からバックしようとして右ばっかり気を取られていたら左後ろのバンパーを道向かいの家のブロック塀にぶつけちゃった。」
僕 「バックモニターもついてるのに何やってんだよ~。」
セイバーはホンダ オブ アメリカの車でいわば輸入車だ。古い年式だが運転性能が気に入って東和さんから譲ってもらった車だ。極ツヤのコンパウンドで何度も磨いてピカピカにし、大事にしていた車なのだ。
「調子こいて気を緩めてるからぶつけるんだよ~、もぅ~!」
カミさんは車を倉庫にしまうと重い足取りで倉庫を出て行った。
随分派手にやったなぁ。
テールライトレンズまで割れちゃってる。
完全にへこんじゃったぞ。
大きなバンパーは、ずれちゃってる。
近くの板金屋に見てもらってきたらしいが、なにぶん古い年式なのでパーツが手にはいるかどうか分からないと言われたらしい。
仕方がない、ショックだが自分の作業に戻る。
しばらくすると倉庫のドアが開き、誰か(と言ってもカミさん以外いないが) ツカツカと無言でこちらに歩いてくる。
僕の前に立った。
僕 「なんだい。」 ちょっと不機嫌そうに言う。
カミさん 「あやまりに来た。」
僕 「やっちゃったものはしょーがねーじゃん。」
カミさん 「でも、大事にしてたんでしょ? ごめんなさい。」
カミさん、泣き声になっている。 僕の後ろに来て背中から僕に抱きついて
「ごめんなさい。」と謝っている。
僕 「泣くほどのことかよ。 それにそう長く乗れる車じゃないと思ってたから。もういいよ。」
カミさんは泣いてすっきりしたのか「明日また板金屋さんに行ってくるね。」と、明るく出ていった。
普段、涙なんて見せないカミさんだからちょっとびっくりしてしまった。
考えてみりゃ、カミさんが怪我をしなかったのがなによりだ。そっちに感謝しなくちゃね。
カミさんより大事なクルマなんて無いから。^ ^