館長の気ままな日記

三河工芸ガラス美術館の館長(オーナー) " カズ " こと神谷一彦の勝手気ままな独り言です。

三河工芸の館長が書く日記です

来年は寅年

こんにちは。

 

来年は寅年だ。

来年に向けて虎のサンドブラストガラスを展示した。

タイトルは「猛虎母子図」。虎の親子の彫刻ガラスだ。子虎は親虎の下で水を飲んでいる。

 

この作品、僕が今のガラス工芸を初めて間もないころ、精力的にサンドブラストの段彫り作品を作っていたころの作品だ。

この仕事を始めた当時は、まだまだガラス工芸が一般的でなく、認知度も低かった。だから作品はなかなか売れるものではなかった。

生活も厳しく大変だったので、見かねた在所の義兄が注文してくれたのだった。

当時、在所はカミさん含め祖父母、義兄義姉全員が寅年で、虎が縁起がいいということで虎の絵を彫ることになったのだ。

 

デザインは掛け軸の絵かなにかから持ってきたと思う。

猛虎図と言えば岸駒が有名だが、岸駒の作品かどうかは覚えていない。

虎は笹と一緒に彫るのが一般的で、この作品もそれに倣った。

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このころはまだまだ僕も勉強段階で、表現法に悩んでいた。

この虎も毛並みを表現するのにどうしたらいいのか散々迷った挙句、細いミミズ状の線を無数に彫ることで虎の短い毛並みを表現した。

まずまずの出来だと思っている。

 

この「猛虎母子図」は在所の姉が「来年は寅年だからこの作品を展示すると、きっと縁起がいいよ。」と言って貸し出してくれた。

3階の和風コーナーにはこの「猛虎母子図」のほかに「昇竜図」、「高松に鷹図」があって、3作揃うとなかなか壮観な眺めになる。

 

来年こそ、いい年になりますように。