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館長の気ままな日記

三河工芸ガラス美術館の館長(オーナー) " カズ " こと神谷一彦の勝手気ままな独り言です。

三河工芸の館長が書く日記です

1971 マスタングマッハ1 右クォーターポスト裏板修復3 「必殺錆封じ」とPOR-15

マスタング レストア

こんにちは。

 

クォーターポスト裏板の修復が終わったら錆止め処理を行う。

初めに行うのはPOR-15の「メタルレディー」(メタルプレップともいう)を使った亜鉛リン酸塩処理だ。鉄板の表面に亜鉛リン酸塩の皮膜で覆って錆びにくくするのと塗料の密着が向上するというものだ。

この処理を行うと金属光沢が失われ、つや消しのムラのあるグレーになる。

 

続いて染めQの「必殺錆封じ」をスプレーガンで塗装する。僕はこの「必殺錆封じ」を信頼している。染めQを嘘つきと揶揄する人もあるが、僕は自分でいろいろ実験した結果、効果はあるとの結論に至った。

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但し、使い勝手はすこぶる悪い。まず乾燥が遅い。湿気の多い梅雨時は硬化が速いが乾燥した秋から冬にかけては2日経っても表面はヌルヌルだ。

塗膜の量も難しい。少ないと十分に浸透しないだろうし、かといって厚塗りするといつまでたってもぬめっていて乾かない。そういう時はウエスで拭くようにと取説にあるが、ウエスで拭こうものなら表面に繊維がいっぱいついてしまう。

さらに「必殺錆封じ」は完全に乾いてしまうと上塗りが密着しないとあるのでそれこそ乾く寸前のわずかなタイミングで上塗りをしなければならないのだ。

前日の夜中に塗って、朝起きたらカチカチになっていたなんてこともあり、塗り始めたらうっかり寝られない。

 

クォーターポストの裏側にも「必殺錆封じ」を塗る。

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続いてPOR-15のラストプリベントを塗る。これはレストアラーの間では有名な錆止め剤だ。

空気中の湿気と反応して硬化する1液性のウレタン塗料だ。完全硬化すると水も空気も通さないので錆の発生を防ぐというものだ。

POR-15のシルバーを塗る。

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ところがこれが「必殺錆封じ」以上に扱いにくい。

液はドロドロで夏の蜂蜜のよう。硬化が遅いので垂れやすい。スプレーガンが使えず刷毛塗りしかない。厚塗りすると湿気と反応して泡がいっぱいできてしまう。大体一晩で乾燥するが、ひとたび硬化するとツルツルのカチカチで上塗りができない。

そして保存がきかない。一旦開封したらどんなに密封しても半年もたない。だから決して沢山の量を買ってはいけない

 

そしてPOR-15の最大の欠点。それは錆の無い新しい鉄板面には全く密着しない、ということ。

この時、僕はまだそのことに気付かなかった。