館長の気ままな日記

三河工芸ガラス美術館の館長(オーナー) " カズ " こと神谷一彦の勝手気ままな独り言です。

三河工芸の館長が書く日記です

鹿のステンドグラス製作 デザイン (1)

こんにちは。

昨日はステンドグラス材料の卸問屋に材料を仕入れに行った。

実は先日、安城市のK様からステンドグラスのご注文を頂いた。新築のお宅ではなかったが、築7年目ということだが、まだまだ新築同様の美しさだ。何より子供さんがみんな独立していて汚す人が無く、また、ご本人も大変几帳面な方で、言い方は良くないかもしれないが生活臭がないほど、言ってみればモデルハウスのように整然とした美しいお宅だったのだ。

正直、うちとはエライ違いだった。ホント。

なんでも、お子さん達が独立して家を出て行かれ、夫婦二人で生活するようになり、生活に落ち着きが出てきたところで、かねてから欲しかったステンドグラスを入れてみたいと思うようになったそうだ。

これからこのステンドグラスを作る工程を逐次皆さんにご紹介していこうと思う。

これを見て頂ければステンドグラスの製作が如何に手間暇かかるものなのかをご理解頂けるかと思う。

また、これを見て、自分でも作ってみたいと思って頂ければ幸いである。さらにご注文など頂けようものなら之に勝る喜びはありません。(笑)

 

K様、なかなか絵心のある方で、ご自分で希望のデザイン画を描いてこられた。 このように、お施主様の希望がはっきりしている場合は、作る側としても非常に作りやすい。

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紅葉の中、鹿の親子が川の中を歩いている風景だ。 非常に風情のある素晴らしいデザインなのだが、このままではステンドグラスのデザインとして使えないのだ。

なぜか? ガラスのカットにはルール、法則があって、それに沿わない形状はカットできないか、出来たとしても非常に高価なものになるからだ。

まずは、K様のデザインをそのままステンド向けにアレンジしてみた。 すると、2枚のステンドパネルを作るのに、そのガラスピース数はなんと1200個にもなった。

これはもう、美術作品にも匹敵する細かさだ。単純に製作費を見積もると100万円を軽く超えた。

ご注文頂けるなら、どんな複雑なものでもお作りはできるが、やはりいたずらにコストのかかるものをお勧めはしたくない。

できるだけ見た印象を変えることなくピース数を減らし、コストダウンをはかる。最終的には半額以下まで押さえることにした。

 

つづく