館長の気ままな日記

三河工芸ガラス美術館の館長(オーナー) " カズ " こと神谷一彦の勝手気ままな独り言です。

三河工芸の館長が書く日記です

大忙しの休館日

こんにちは。

きょうは休館日。普通の人ならオフということで家でのんびりしたり旅行に行ったりと、楽しく過ごしていることだろう。だけどうちはそうはいかない。

お休みの日にしかできない仕事が沢山あるのだ。

 

きょうは以前からずーっとやらなきゃと思っていた仕事を思い切ってやることにしたのだ。

一つ目は駐車場のライン引き。駐車場を作ってから28年ほど経つ美術館の駐車場はラインがかすれ、消えかかって、お客様やステンドの生徒さんが上手く止められないでいるのだ。

昼間は暑くてとてもじゃないけど作業が出来ないので夕方近く、5時ごろになってから始めた。

 

刷毛塗では時間がかかるのでハンディーぺインターを使う。

段ボールでラインの型を作り、アスファルトに印をつけて型を置く。

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下準備は少々面倒だが刷毛塗よりも格段に速い。

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大きな型が作れないので、一本のラインを引くのに型をずらして2回で塗装する。今までの駐車スペースよりも幅を30センチほど広くして台数を減らした。大きな車でも停めやすくするためだ。

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ラインを7本引いただけだが、4リッター缶をほぼ使い切った。このぺインターの欠点として最後まで塗料を使い切ることができない。いつも200㏄くらいは残る。塗料を全部吸い上げられないのだ。

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この塗装は1時間半くらいで終えた。

続いてインターロッキング舗装の補修である。

 

インターロッキング舗装とは道路舗装材の一種でレンガのようなコンクリートブロックを敷き詰める舗装である。一般のアスファルト舗装に比べ、見た目が美しい、透水性がある、補修が容易などの特徴がある。

ただし、本来は歩道などの歩行用で、自動車の通行には適さない。

 

美術館のインターロッキング舗装も舗装後23年ほど経過して、度重なる自動車の通行であちこち痛んできた。 やっと思い切って補修する。

ブロックが至る所で傾いたりぐらぐらしたりしてお年寄りなどつまずきかねない。

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ところがこの作業が非常にきついものだった。

まず、ブロックを取り外し(この作業も大変)、下地を削るなり、砂を敷くなりして平滑にしてブロックが動かないようにする。更に面も揃えなくてはならない。

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もう、汗がボタボタ。でも、こんな作業、昼間なんて自殺行為だ。なんとしても夜の間に行いたい。

息子とカミさんと、3人で頑張った甲斐あって、夜中の3時半には終わることが出来た。実に6時間の作業であった。

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きょうは昼まで寝るぞ。

ジオラマ 左岸製作4 道路作り

こんにちは。

きょうはお盆休みの最終ということもあり、入館客、体験客ともに賑わった。

若いお客様が多く、中には浴衣姿の若い女性も。尾張旭から来てくださったそうで、折しもきょうは西尾の「米津の花火」の日。 臨時駐車場や花火見物の「見やすいところ」を教えて差し上げた。

 

美術館が終わって、さぁジオラマ製作だ。

ここのところ左岸の道路を作っている。道路は当初発泡スチロールの上にボール紙を貼って塗装するつもりだったが、その後、街灯や信号機などを取り付けるうえで、軟らかすぎて都合が悪いことが分かったのだ。

急きょ薄手の発泡塩ビ板を敷くことにした。ここ2~3日はずっと道路の形を決めながら塩ビ板を切っている。

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写真では分かりにくいが真っ白な塩ビ板の道路が敷かれ、全部切り揃ったところでメインストリートと同じウレタンのグレーを塗装するつもりだ。

その後、センターラインや矢印などの白を塗装する。 普段何気なく使っている道路だが、こうしてみるととても手間のかかるものであることが分かる。

 

そして配線もしながら進めている。

配線は長机を2つ並べた上に乗せた左岸の下にもぐって作業する。 自動車整備用の「寝板」に乗って行うのである。

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これがなかなかしんどい作業で、ずっと上を向いて作業をしているとすぐに腕が疲れてくる。普段使わない筋肉を使うからだ。机が高いので毛布を敷いて枕には座布団を乗せる。 かさ上げするのである。

 

昨日なんか作業していて、いつの間にか「寝板」の上で寝てしまっていた。気持ちよかったのである。(^^ゞ

まだまだかかりそうだ。

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だけどこの間の「ネットフレンズ」さんの取材では、ジオラマを年内に完成、展示します、と約束してしまった。 頑張らねば。

 

ホントに間に合うかしら。

1971 マスタングマッハ1 エンジンOH3 エンジン分解

こんにちは。

エンジンの分解が始まった。

僕のマスタングレストアのスタンスとして、次のように決めている。

1. 外観はオリジナルを重視しつつもエンジンやブレーキなど、走行性能や安全性にかかわる部分は積極的に現代的なグレードアップを施す。

2. さらにボデー剛性を高め、可能な限りの錆取りと錆対策をする。

 

まず取り外したのがインマニ(インテーク・マニホルド)。当時は鋳鉄製である。

持ち上げてみて、そのサイズから想像するよりはるかに重い。

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のちに東和さんと話し合いの末、このインマニは使わないことになる。理由はその重さとポート形状がシリンダーヘッドと合わないことによる。

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つづいてシリンダーヘッドが二つ。それぞれに燃焼室が4つずつある。V8エンジンなので全部で8つだ。

燃焼室も排気ポート(排気ガスの通り道)もすすけて真っ黒だ。不完全燃焼、というよりもガスを食わせすぎだ。

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エンジンはOHVなのでプッシュロッドでロッカーアームの一方を押し上げ、もう一方がバルブを押すことで吸排気バルブの開閉を行う、とてもシンプルな構造だ。

シンプルがゆえに故障が少なく、耐久性も高い。

よって近年見直されているOHVエンジンなのだ。

 

 

エンジンから分離されたC6 A/Tトランスミッション。当時、オートマは3速が標準だった。

オーバードライブが無いので高速道路で100km/h 走行時にエンジン回転数は2500回転ほど。ヤカマシイったらありゃしない。

7000ccもの排気量がありながら100キロで2500回転なんて、もったいないなんてもんじゃない。現代車は1800回転くらいだから、そのくらいにして静かに高速を楽しみたいものだ。

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僕はミッションをオーバードライブ付のAODミッションにするつもりだ。これだと計算上は100キロ走行時、1650回転だ。

これがそのAOD A/T。エンジンパワーは550馬力まで扱えると取説にはある。

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こちらはウォーターポンプ。エンジンの冷却水をラジエターからエンジンに循環させるポンプだ。

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ポンプはもちろん、新品に交換するがハウジングは塗装し直して使う。

 

1971 マスタングマッハ1 エンジンOH2 エキマニ

こんにちは。

結局、エキマニのスタッドボルトは外せなかった。

スパナなんて勿論ダメで、次にボルトに直角に鉄筋を溶接して、その鉄筋を回そうと試みたが鉄筋が曲がってしまい、ボルトは微動だにしない。ボルトを赤くなるまで暖めてやると取れることがあると聞き、友人の鉄工所へ持ち込んで酸素バーナーでボルトを過熱、大型レンチで回してもらったがついにはボルトが折れてしまった。

 

こうなるともう素人の手には負えない。専門の業者に委託して折れたボルトを削り取るしかない。

そんな折り、聞きつけたマスタング仲間のUMさんが、

「僕が以前ヤフオクで手に入れたエキマニがあるから、よかったら使ってください。」UMさんのエキマニもボルトが1本抜けずに付いていたが僕のよりずっと程度がいい。ムリに抜いてまた折ってしまうくらいならこのまま使う方が得策だ。

 

ヤフオクに出品されただけあって、浮き錆などは付いていない。なのでエキマニをブラスト機に入れて錆取りをする。

直圧式ブラスターの威力で錆はみるみる吹き飛んでゆく。

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エンジンブロックと触れあうフランジ部分をマスキングして耐熱塗料を塗る。

耐熱塗料はいろんな種類が販売されているようだが、耐熱温度が650度と高い、左のものを使うことにした。

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錆を取り、塗装し直したパーツ。綺麗に塗装したエキマニも置いてある。(下の段)

UMさん、ありがとう~!

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基本的に、全てのパーツを新品に交換、または錆取り後塗装をする。

お盆がやってくる 仏具磨き

こんにちは。

あすからお盆だ。 お盆と言えば仏具磨き。

年に一度のこの行事、仏具を磨いてピカピカになれば心も晴れやか、ご先祖様をお迎えする準備が整う。

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だが、代々受け継がれている仏具磨き。ことのほか重労働である。

僕も子供のころから祖母や母から手伝いをさせられたが、しっかり磨こうと思うと丸一日かかる大仕事だ。

 

ところがこの仏具磨き、近年いい薬剤が現れてかなり楽になった。

 

主に真鍮製の仏具は昔から「ピ〇〇ル」などの金属磨きで行ってきた。が、これが少々厄介なのだ。

拭き取りが大変なのと、コンパウンドが真鍮の彫刻部に入り込むと取れにくく、非常に見苦しいのだ。

 

それに代わって最近取り入れたのがこちら。

一つは薬液に浸けるだけという「ニューテ〇〇ル」。水で30倍に薄めた液に30秒ほど浸け、その後水洗いするだけ。

もう一つは「マイ・エ〇〇ナル」。自動車用の艶復元剤である。つまりコンパウンド

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これらを使ってできたのがこちら。ビフォー・アフターである。 奥が処理前。手前が処理後だ。

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やり方はこうだ。

まず、彫刻に入り込んだ古い「ピ〇〇ル」を真鍮ブラシで掻きとる。歯磨きの要領で小刻みにこすると真鍮ワイヤーが奥まで届いてコンパウンドかすを取り除く。

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写真は無いが、その後「ニューテ〇〇ル」の液に30秒浸す。すると今まで山吹色だった真鍮表面が白っぽい黄色に変わる。

表面の酸化層が取れ、真鍮本来の地肌が出る。長く浸けすぎると赤っぽく変色するので注意が必要だ。

「ニューテ〇〇ル」での仏具磨きはこれで完了なのだが、このままだと酸化層を取っただけなので表面の艶が失われている。

この艶を出すのが次の「マイ・エ〇〇ナル」なのだ。初めから「マイ・エ〇〇ナル」を使ってもいいのだが、そうすると大変な労力を費やすことになる。

物事、同じ結果を出すなら要領よくやりたいものだ。

 

この「マイ・エ〇〇ナル」をウエスに少量取り、良くなじませる。それから磨きにかかる。このとき「マイ・エ〇〇ナル」を直接仏具に付けてはいけない。彫刻面にコンパウンドが入り込み、汚い仕上げになる。

ツヤが出て来たら綺麗なウエスで拭き取る。

これで完了だ。

 

ここでなぜ「マイ・エ〇〇ナル」を使うのかと言うと研磨力が強力だからだ。通常のコンパウンドより1/10の細かさのセラミック砥粒を使っていて、自動車のメタリック塗装磨きにも使える優れものだ。

コンパウンドのかすが付いた古い彫刻面が‥、

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白っぽい輝きのツヤツヤ面になる。

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おりんも処理前はこんな感じに黒ずんでいたが‥、

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処理後は‥、どうだ! まさに黄金の輝き。顔がはっきりと映るほど。

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通常なら半日はかかる「お磨き」が、一切機械を使わず、カミさんと二人で1時間半ほど。

 

これは楽ちんだ。^ ^

1971 マスタングマッハ1 エンジンOH1

こんにちは。

今回はエンジンのオーバーホール(OH)の話をしよう。

オーバーホールはすでに完了しているがうちには置いてない。名古屋市の東和自動車さんに保管してある。肝心なところはもちろんプロ中のプロである東和さん任せだが、そうでない部分は僕に作業を任された。

 

当初のエンジンはあまり手入れの行き届いていない汚いものだった。

あちこちからオイルがにじみ、バルブカバーはすすけて黒ずんでいた。

エキマニ(エギゾースト・マニホルド)は焼けと錆で真っ赤だ。

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オルタネータは高性能のものに換えられていた。前オーナーさん、それなりに手入れしていたそうであるが、あまり行き届いた整備はされていないようだ。

よほど速く走りたかったのか、大きなキャブレターが搭載されていたが、このエンジンにはミスマッチだったようだ。常にエンジンはかぶり気味だった。

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東和さん 「神谷君、自分でやれるところは自分でやりな。その方がお前さんも楽しいだろぅ!?」

僕 「勿論ですよ。僕に出来ることはやらせてください。」

 

東和さんはアメ車の"かっこよさ"にこだわりのある人で、色々と注文もウルサイのだ。

 

まずはエキマニのクリーニング。錆を落とし、耐火塗料で塗装するのだ。

初めに浮き錆をワイヤーブラシで落とし、そのあとサンドブラストで綺麗に錆取りする。浮き錆を取らずにいきなりブラストすると、ブラスターの研磨剤が錆だらけになってしまうからだ。

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左右に一つずつあるエキマニの一方にスタッドボルトが付いたままになっている。排気の熱でさび付いて外れないのだ。

 

これを何とかして外したいのだが。

1年ぶりの吉山会

こんにちは。

 

きょう、1年ぶりとなる吉山会があって、出席してきた。

吉山会とは西尾市立平坂(へいさか)中学校のPTAオービーの会だ。

僕がPTA会長を務めたのはかれこれ13年も前のことであるが、恩師の先生方に会えることから今でも僭越ながら出席させていただいている。

ただ、僕より先のオービーはもう、誰も出てこない。

 

今年も平坂町にある料理屋「香村」で行われた。

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僕がこの吉山会に招待されるようになってすでに親しい先生が2人も亡くなられた。PTAで共に活動した先生方も世代交代が進み、平中に残っているのは数名のみだ。

 

僕の中学時代、音楽の先生だったKH先生が僕の手を握り、「神谷!お前と会うのが楽しみで出てくるんだからな。これからも出てこにゃいかんぞ!」

KH先生は御年80歳。まだまだお元気だが、この先いつまで出てこられるかは分からない。

 

僕の担任だったAO先生は認知症が進み、4年ほど前から出席されなくなった。

弱いくせにお酒が好きで、最後に出席されたときは飲みすぎて自転車が漕げなくなり、カミさんと二人で自転車をトラックに乗せて先生をご自宅までお送りしたこともあった。

「神谷!お前には大して何もしてやらんかったが、おまえが一番ようしてくれる。ありがとうなぁ。」

そう言って別れたのが最後だ。今は僕を見ても分からないだろう。

 

 

恩師ってなんだ?

その時代を共に生き、自分を支えてくれた人たちだ。

そしてその時代を確かに生きた自分の証人なのだ。